退社するときや、ご飯の前に待ち合わせたときに、
何気なく「お疲れ様」と言いませんか?
「ご苦労様」は目上にはNG、「お疲れ様」はOK、
と捉えていたら大丈夫!と思うのは、良くないかもしれません。
今回は、掘り下げて見ていきましょう。
ひとことで表すと
同僚や目上に対して → お疲れ様
【状況】
・2000年頃から「お疲れ様」が使われるようになった。
・目下からの労いが失礼と思う人もいるため、“ありがとうございます”など、状況に応じて変える方がベター。
詳しい解説
ご苦労様、お疲れ様 は、どちらも尊敬の気持ちを表しますが、
歴史やルーツは異なるようです。
今回はトリビアとして、軽い気持ちで読んでくださいね。
ご苦労様
・苦労 を丁寧にいう語。
・他人の苦労(=努力・骨折り・かけた手間など)を敬う、あるいは、他人の骨折りをねぎらっていう言葉。
相手の苦労をねぎらうという意味のため、目上の人に使うのは失礼という認識が広まっていますが、
もともとは、目上へ使用する言葉でした。
ちなみに目下に対しては、「大儀であった(たいぎであった)」でした。
時代劇のセリフでありそうですね。
目上への言葉だった「ご苦労様」ですが、
大正時代に入って、目下にも使われるようになりました。
時代の流れとともに少しずつ変化し、2000年代には、完全に目上には失礼な表現という認識に。
お疲れ様
もともと「お疲れ様」は、地方で夕方から夜にかけて使う挨拶でした。
全国共通の言葉ではなく、方言だったのです。
目上・目下関係なく使われていますが、
本来は、「ご苦労様」と同様、目下に対して使われるねぎらいの言葉。
近年になり、目下から目上に向けて、使ってもOKという認識が浸透してきた背景があります。
流れとしては2000年代に入り、「ご苦労様」が目上には失礼という認識となったため、
目下が気軽にねぎらう表現として、「お疲れ様」が使われるようになったそうです。
これらの背景から、年代によって認識が異なり、
目下からの労いが、上から目線で失礼と考えている人もいることは、知っておきましょう。
例文・類語
近年になって、「お疲れ様」は世代を問わず、
挨拶のように使える便利な表現という認識が広まりました。
それでも失礼と感じる人は0ではないので、TPOに合わせて変える方が良いでしょう。
・お先に失礼します。
・本日は、ありがとうございました。
社内の人には「お疲れ様です」ですが、社外の人には避けることがマナー。
・お世話になっております。
・お暑い中ご足労いただき、ありがとうございます。
お礼の言葉を伝えると良いですね。
まとめ
今回は「ご苦労様」「お疲れ様」について見てきましたが、いかがでしたか?
歴史が異なり、想像よりも奥深い言葉でしたね。
参考文献:
広辞苑第6版、明鏡国語辞典、糾弾!問題な日本語、類語例解辞典