敬語には、大きく分けて「尊敬語」「謙譲語」「丁寧語」の3つがあります。
それぞれ説明できますか?
なんとなくわかるけど……な人のために、
今回は、謙譲語について見ていきましょう。
ひとことで表すと
自分を低くして、相手を敬う敬語の一つ
【状況】大きく3つ
・特定の尊敬語を使う (言う → 申し上げる)
・人や物を低くする (わたくし、弊社)
・一般的な言葉に、[お][ご]をつける (誘う → お誘いする)
詳しい解説
では、謙譲語について詳しく、でも簡単に見ていきましょう。
謙譲語
敬語の一つで、自分を低くして、相手を敬う表現。
もっといえば、
自分を相手より低い位置において、相手を立てる(高める)表現。
*相手・・聞き手・読み手
*自分・・話し手・書き手
*低くするもの・・自分そのもの、自分の動作・状態など
謙譲語は、大きく3つ使い分けています。
1 特定の謙譲語を使う
例:言う→申し上げる、行く→うかがう、見る→拝見する
2 人や物を低くする
例:わたくし、せがれ、小生、拙著の“拙”、弊社の“弊”
3 一般的な言葉に[お][ご]をつける
私たちは無意識に使い分けていますが、あえて説明すると、
平仮名がある動詞には[お]、名詞には[ご]と付けます。
例:知らせる→お知らせする、確認する→ご確認する
また謙譲語を、細かく分けることもあります。
謙譲語Ⅰ・・・自分を相手より低い位置において、相手を立てる。
謙譲語Ⅱ(丁重語)・・・自分の動作や物事を丁重に述べて、相手に対する敬意を表す
謙譲語Ⅰと謙譲語Ⅱ(丁重語)は、一文のなかで両方使っても、
厳密にいえば別ものなので、二重敬語ではないと考えて大丈夫です。
とはいえ、少々くどい印象になるので避けるほうがベターだと思います。
例:させていただきたく 存じます。
ちなみに、自分の動作で相手に影響がない場合は、謙譲語は使わないので注意しましょう。
例:困る、疲れる、覚える
例文・類語
ここでは、謙譲語で間違いやすい表現を紹介します。
◯ お手伝いいただき、ありがとうございました。
× お手伝いしていただき、ありがとうございました。
「お〜いただく(謙譲) / お〜くださる(尊敬)」は、相手の行為に対して使いますが、
「お〜する / ご〜する」は、自分の行為に対して使う表現です。
「お〜していただく お〜してくださる」のように、
組み合わせることは誤用になるので、注意しましょう。
まとめ
今回は、謙譲語について見てきましたが、いかがでしたか?
自分を低くすることで、相手を敬い高める表現なので、
正しく使っていきたいですね。
参考文献:
広辞苑第6版、明鏡国語辞典、類語例解辞典、
「言いたいこと」から引ける敬語辞典