間違いやすい二重敬語とは?よく見る例を紹介

 

 

ビジネスの場面では、相手に対して失礼のないように、丁寧な言葉遣いを心がけますよね。

実は丁寧にするあまりに、二重敬語を使っており、
かえって失礼な印象を与えている人も多いのです。

今回は、二重敬語について理解していきましょう。

ひとことで表すと

二重敬語とは、
一つの語について、同じ種類の敬語を二重に使ったもの
誤用のため避ける必要がある。

 

例1:お読みになられる・・尊敬語 + 尊敬語
例2:拝見させていただく・・謙譲語 + 謙譲語

詳しい解説

まずは、二重敬語とは何か?について見ていきましょう。

二重敬語
一つの語について、同じ種類の敬語を二重に使ったもの。

× お読みになられる
◯ お読みになる / 読まれる

<解説>
・読まれる・・・読む の尊敬語
・“お〜なる”・・・相手への尊敬表現
・なる・・・尊敬の助動詞“れる”

尊敬語 + 尊敬語の二重敬語のためNG。

 

間違いやすい二重敬語のパターン

  • “お〜なる / ご〜なる”  +   “れる / られる”


・“お〜なる”・・・相手への尊敬表現
・なる・・・尊敬の助動詞“れる”

例:
× お読みになられる → ◯ お読みになる

× ご覧になられる  → ◯ ご覧になる

  • 謙譲語  +  させていただく

× 拝見させていただく → ◯ 拝見する

 

  • 敬称 + 様

× 社長様 → ◯ 社長

ちなみに、“各位”だけで皆様という意味があるため、“各位様”もNGです。

例文・類語

実際によく見る二重敬語を確認して、学びましょう。

 

× おっしゃられる
◯ おっしゃる / 仰せになる

<解説>
・仰る(おっしゃる)・・言う の尊敬語。
・尊敬の助動詞“れる”
→ 尊敬語 + 尊敬語の二重敬語

 

× お召し上がりになられる
△ お召し上がりになる
◯ 召し上がる

 

<解説>
・召し上がる・・食べる の尊敬語
・“お〜なる”・・相手への尊敬表現 +  尊敬の助動詞“れる”
→ 尊敬語 + 尊敬語の二重敬語ですが、「お召し上がりになる」は広く使われています。

× 伺わせていただきます
× お伺いいたします
◯ 伺います

<解説>
・伺う・・・行く の謙譲語
・させていただく・・“…てもらう” “…でもらう” の謙譲表現
・“お〜する”・・自分の行為に使う謙譲表現。
→ 謙譲語 + 謙譲語の二重敬語

 

× 拝見させていただきました
◯ 拝見しました

 

<解説>
・拝見する・・見る の謙譲語
・させていただく・・“…てもらう” “…でもらう” の謙譲表現
→ 謙譲語 + 謙譲語の二重敬語

まとめ

今回は、二重敬語について見てきましたが、いかがでしたか?

丁寧なつもりが、失礼な印象を与えてしまうのは悲しいですよね。

誤用のため、意識して避けていきましょう。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

 

 

参考文献:
広辞苑第6版、明鏡国語辞典、
「言いたいこと」から引ける敬語辞典、文化庁 敬語の指針

 

 

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