間違いやすい「になります」の正しい使い方

 

 

コンビニやレストランで聞く、「〜円になります」は、
間違っていると知っている人は多いですが、

「以上になります」と、ビジネスで使っていませんか?

これも同様に誤りです。

今回は「〜になります」について、理解していきましょう。

ひとことで表すと

× 以上になります
以上でございます

***

【状況】
・自然のなりゆきで変化して、別の状態が現れるという意味
・「です」の丁寧語ではない

詳しい解説

まずは、「なる」の意味を見ていきましょう。

なる (成る・為る)
10個以上の意味がありますが、ここでは関連するものだけをピックアップします。

ある状態から他の状態へと変化する
例:予定が変更になる。水が湯になる。

時間が経過して、ある時期・時刻・天候などに移る。
例:約束の時間になった。明日は雨になりそうだ。

ある数量に達する
例:出費は合計して1万円になる。来年で30歳になる。

つまり、自然のなりゆきで変化して、別の状態が現れる という意味があります。

 

・〜円になります。
・こちらに〜なります。
・以上になります。

 

“です”の丁寧語と考えて、使っているようですが、3つとも誤用です。

これらは、バイト敬語と呼ばれています。

バイト敬語とは、
・コンビニなどで働くアルバイト店員による接客で、敬語として使われる、特徴的な日本語の表現
・間違っている表現が広まっているケースも多い

 

(合計で)〜円になります という意味で、使っているとも考えられますが、
〜円です〜でございます が正しい表現です。

ちなみに、〜になりますなります は、同じ意味と捉えて問題ありません。

ただ、〜となります のほうが、ややかしこまったニュアンスを含んでいます。

 

例文・類語

よく見るけれど、間違っている表現について、学びましょう。

×  こちらが資料になります。
◯  こちらが資料でございます。


目の前にある資料が、何か別のものに変化するわけではないので、”になります”は間違いです。

× 印鑑が必要になります。
◯ 印鑑が必要です。


”〜が必要になります” は、丁寧なように聞こえますが間違いです。

"〜が必要です" が断定的でやや厳しく聞こえるため、やわらかく丁寧に伝えたいときもあると思います。

その場合は、”〜が必要ですので、・・・・よろしくお願いします” のように、
言葉を付け加えるなど、工夫をしましょう。

 

〜になりますでしょうか。

・なります・・なる の丁寧語
・でしょうか・・だろうか の丁寧な表現

両方とも丁寧な表現のため、二重敬語にあたります。

まとめ

今回は、「〜になります」について見てきましたが、いかがでしたか?

丁寧に聞こえますが間違っている表現のため、注意しましょう。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

 

 

参考文献:
広辞苑第6版、明鏡国語辞典、
「言いたいこと」から引ける敬語辞典

 

 

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