人に贈り物を渡すとき、何と言いますか?
“つまらないものですが” を使う人や見聞きしたことがある人も多いと思います。
間違いではありませんが、
最近では、別の表現のほうが良いと言われることがあるのです。
今回は、その理由を含めて、
「つまらないものですが」について、見ていきましょう。
ひとことで表すと
◯ 心ばかりですが
◯ ささやかですが
◯ ほんの気持ちですが
・取るに足らないものですが という意味
・相手のことを敬い、持参したものを謙遜した表現
・言葉通り“つまらないもの” と捉える人が増えている
詳しい解説
「つまらないものですが」は、
お菓子などの手土産や贈り物を、人に渡すときに使います。
シチュエーションとしては、
相手の家へ行ったときや、相手の会社を訪問したときが多いでしょう。
本来の つまらないものですが の意味
つまらないものですが
・贈る品物を謙遜していう語
昔から日本人は、
立派なあなたにふさわしい品物はない という考えから、
“つまらないもの”と表現してきました。
以下のような気持ちが込められています。
・品物の価値ではなく、気持ちを受け取ってください
・あなたは立派な人を前にすると、つまらないものに見えます
・立派なあなたを前にしては、つまらないものです
つまり、持参したもの自体がつまらないのではありません。
相手のことを敬って、持参したものを謙遜した表現なのです。
つまらないならNOが増加?
「つまらないものが」は、
日本人の謙虚さや美徳さが表れた表現です。
しかし、本来の意味を知らない人が増えているのです。
そのため言葉の通りに、
“つまらないものを持ってきた”と捉える可能性があります。
・つまらないと思うなら、持ってこないでほしい
・つまらないものなら要らない
稀ではあるものの、実際に気を悪くする人もいるようです。
以上の理由から、「つまらないものですが」は使わずに、
別の表現に言い換える方が無難とされています。
類語・例文
「つまらないものですが」の言い換え表現を紹介します。
・心ばかり(のもの)ですが
・ささやかですが
・ほんの気持ち(ばかり)ですが
・お口に合うと良いのですが
・気に入っていただけると嬉しいのですが
つまらないものですが、ご笑納ください。
つまらないものですが、召し上がってください。
「つまらないものですが」の部分を、
言い換え表現に置き換えるだけでOKです。
また、以下のように、言っても良いですね。
よろしければ、ご笑納ください。
笑納 (しょうのう) の意味
贈り物をするとき、つまらない物だが笑って納めてください
という気持ちで使う語
まとめ
今回は「つまらないものですが」について、見てきました。
日本人の奥ゆかしさを表した素敵な表現だとわかりました。
しかし誤解される可能性を考えれば、
別の表現を使う方が良さそうですね。
参考文献
・広辞苑第6版
・明鏡国語辞典