1月〜2月になると、
寒波が到来し、都心でも雪が降ることがあります。
季節を大事にしてきた日本には、
雪にまつわる綺麗な言葉がたくさんあります。
雪に慣れていない地域では、実際に雪が降るだけであたふたして、
雪の趣をじっくりと感じる余裕は、あまりないかもしれませんが・・・
今回は、雪がつくに言葉ついて、学んでいきましょう。
詳しい解説
雪がつく言葉や季語は、100以上あります。
見るだけでスッと寒くなるような言葉、
風景が思い浮かぶような風情ある言葉…
今回は、比較的日常になじみのあるものを集めました。
雪そのものを表す言葉
言葉 | 読み方 | 意味 |
淡雪 | あわゆき | 春に降る、泡のようにやわらかく消えやすい雪 (春の季語) |
小米雪 | こごめゆき | 小米の粒のように細かく、さらさらと降る雪のこと |
粉雪 | こなゆき | 粉のようにさらさらとした細かい雪 |
細雪 | ささめゆき | 細かに降る雪・まばらに降る雪 |
小雪 | しょうせつ | ・少し降る雪
・二十四節気の1つ。太陽暦の11月22日頃 |
垂り雪 | しずりゆき | 木の枝などから落ちる雪 |
新雪 | しんせつ | 新しく降り積もった雪 |
大雪 | たいせつ | ・はげしく降る雪・多く積もった雪
・二十四節気の1つ。太陽暦の12月7日頃 |
暮雪 | ぼせつ | 暮れ方に降る雪・夕暮れの雪の眺め |
牡丹雪 | ぼたんゆき | ふっくらと大きな雪片が牡丹の花びらのように降る雪・ぼたゆき |
深雪 | みゆき | ・深く積もった雪 ・雪の美称(物や人を飾るときや褒めるときの呼び方) |
綿雪 | わたゆき | 綿をちぎったような大きな雪片の雪 綿雪のほうが、牡丹雪よりもやや小さい |
淡雪は、泡立てた卵白に砂糖などを加えて、寒天で固めた羊羹の名前でもありますね。
雪と風景にまつわる言葉
言葉 | 読み方 | 意味 |
雪明かり | ゆきあかり | 積もった雪の反射で、あたりがうっすらと明るく見えること |
雪雲 | ゆきぐも | 雪を降らすような雪模様の雲 |
雪景色 | ゆきげしき | 雪の降る景色・雪が降っている眺め |
雪化粧 | ゆきげしょう | 一面に雪が降り積もり、辺りの景色が白粉で化粧したように、白く美しく変わること |
雪空 | ゆきぞら | いまにも雪が降り出しそうな空・雪模様の空 |
雪月夜 | ゆきづきよ | 雪のあるときの月夜 |
雪解け | ゆきどけ | 雪が解けること (春の季語) |
雪催い | ゆきもよい | 空がどんより曇って底冷えのする、今にも雪が降り出しそうな気配
雪催い は文章語 |
雪を楽しむ言葉
言葉 | 読み方 | 意味 |
雪兎 | ゆきうさぎ | 雪でウサギの形を作ったもの
目はナンテンの赤い実、耳はユズリハの葉を使う |
雪達磨 | ゆきだるま | 大小2つの雪の玉を重ねてダルマの形にして、 炭団や木炭で目と鼻をつけたもの |
雪見 | ゆきみ | 雪景色を見て楽しむこと、またその遊びや宴 |
雪見酒 | ゆきみざけ | 雪景色を観賞しながら酒を飲むこと、またその酒 |
雪だるまを作るとき、
雪の塊を転がすと雪が付着して、見る見る大きくなります。
その様子から「雪だるま式」は、
次から次へと目に見えて増えていくさまという意味で、ビジネスの場でも使いますね。
雪と生活にまつわる言葉
言葉 | 読み方 | 意味 |
雪打ち合い 雪合戦 雪投げ |
ゆきうちあい ゆきがっせん ゆきなげ |
雪を丸めてぶつけ合う遊び |
雪掻き | ゆきかき | 積もった雪をかきのけること・除雪・そのための道具 |
雪国 | ゆきぐに | 除雪量の多い地方・雪の多い国 |
雪転がし 雪丸げ 雪転ばし |
ゆきころがし ゆきまろげ ゆきまろばし |
雪を転がし丸めて塊とすること |
【番外編】歌や物語のタイトル
雪がつく言葉は、小説や歌などのタイトルでも見かけます。
『雪国』は、
日本人発のノーベル文学賞を受賞した川端康成の代表作。
雪国を訪れた無為な男と、温泉町で働く女の心理模様を、
繊細で叙情的な筆致で描かれた小説です。
粉雪と聞くと、
ロックバンド・レミオロメンの名曲『粉雪』が思い浮かびます。
雪の華 (雪の花) は、
雪が降るのを花の散ることにたとえ、
また木の枝などに積もった雪を花にたとえた語。
中島美嘉の名曲『雪の華』を、思い浮かべる人もいるのではないでしょうか。
まとめ
今回は、雪がつく言葉について見てきました。
雪雲・雪気(ゆきげ)・雪催い・雪空・雪模様…
雪が降る気配の言葉だけでもたくさんあることに、
ビックリと同時に、日本語の奥深さを感じました。
参考文献
・広辞苑第6版
・明鏡国語辞典
・類語例解辞典