ビジネスの場で、相手に謝るとき、
・申し訳ありません
・申し訳ございません
この表現を使いませんか?
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どっちの方が丁寧だろう・・と気になる人もいると思います。
実は、2つとも間違いでは?
と指摘されることもあるのは、知っていますか?
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今回は、「申し訳ありません」について、
学んでいきましょう。
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ひとことで表すと
× 申し訳ありません / 申し訳ございません
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[名詞] 申し訳 + [形容詞] ない
◯ 申し訳ありません / 申し訳ございません
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*「ない」の丁重語・・ありません・ございません
*丁寧さ
◯ 申し訳ありません
◎申し訳ございません
詳しい解説
申し訳ない の意味
申し訳ない [形容詞]
意味:
・言い訳のしようもない、弁解の余地もない
・詫びる時などにいう語
(例) 申し訳ないことをした
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丁寧な形で多く用いられるのは、以下の2つです。
- 申し訳ありません
- 申し訳ございません
誤用では?といわれる理由
丁寧形で使う「申し訳ありません」「申し訳ございません」は、
しばしば、誤用ではないか?
あるいは、違和感がある といわれています。
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形容詞「申し訳ない」で考えると、
申し訳 + ない という構造にはなりません。
そのため、“申し訳ない”で 1セットなので、
分解して活用した形ある2つは、両方とも誤用となるわけです。
× 申し訳ありません
× 申し訳ございません
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「申し訳ないことでございます」のような表現が、
形容詞としては正しいです。
「とんでもない」と同じ考え方ですね。
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なぜ広く使われている?
しかし、「とんでもございません(ありません)」よりも、
違和感を抱く人が少なく、広く使われていますよね。
その理由を説明します。
申し訳 [名詞]
意味:
(1)言い訳
(例) 申し訳が立つ
(2)ほんのわずかの、実質が伴わず体裁だけであること
(例) 申し訳ばかりのもの、ほんの申し訳程度のもの
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「言い訳」の謙譲語、と書かれているものもあります。
形容詞「ない」の丁重語は、
「ありません」・「ございません」です。
・自分の行為や物事を丁重に述べて、相手への敬意を表す表現
・謙譲語の一種に分類することもある(謙譲語Ⅱ)
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この構造の場合、
「ない」だけを、丁寧な表現にすれば良いので、
申し訳ありません・申し訳ございません は
両方とも正しい表現といえます。
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◯ 申し訳ありません
◎ 申し訳ございません
より丁寧な印象にしたいときは、
申し訳ございません にするとよいでしょう。
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例文・類語
広く使われているとはいえ、
誤用と捉える可能性があるのなら、避けたい!という場合に
言い換え表現も、知っておきましょう。
・お詫び申し上げます
・陳謝いたします
陳謝(ちんちゃ)
意味:事情を述べて、謝ること
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まとめ
今回は、「申し訳ありません」ついて見てきました。
私自身「申し訳ございません」との違いを知りたいと思ったとき、
誤用かも!?と書いてあり、驚きました。
参考文献
・広辞苑第6版
・明鏡国語辞典
・類語例解辞典
・「言いたいこと」から引ける敬語辞典