「お忙しい中、お集まりいただき、ありがとうございます。」
この表現、結婚式ではNGなんです。
理由は “忙” という漢字が、“忌み言葉”だから。
おめでたい場面や葬式では、
使うことを避ける必要な言葉があります。
今回は、忌み言葉について、
見ていきましょう。
***
ひとことで表すと
忌み言葉とは
・不吉な意味や連想をもつため、使うことを避ける言葉
・重ね言葉も含む
・不吉な意味や連想をもつため、使うことを避ける言葉
・重ね言葉も含む
***
<使う場面>
結婚式などのお祝い事や、葬式などの弔い事など
<使う場面>
結婚式などのお祝い事や、葬式などの弔い事など
詳しい解説
忌み言葉とは
忌み言葉
読み方:いみことば
意味:不吉な意味や連想をもつところから、意味はばかって使用を避ける語
また、不吉だとして
・使うことを避ける言葉
・避ける代わりに使う言葉
両方を“忌み言葉”ということもあります。
おめでたいことや弔事の場面で、意識することが多いと思います。
<使う主な場面>
・結婚式や葬式などの冠婚葬祭
・卒業や入学
・誕生日(長寿を含む)
・就任や昇進などの人事
***
よく見る忌み言葉と重ね言葉
- 忌み言葉
<名詞> 四(死)・九(苦) 去年 引き続き 再び もう一度 |
<動詞> 忙しい・終わる 消える・切れる 冷める・死ぬ 閉じる 短い・戻る 辞める 別れる・分ける |
***
- 重ね言葉
いろいろ 重ね重ね・くれぐれも さまざま・しばしば たびたび・たまたま 次々 ますます・またまた 皆々様 わざわざ |
***
ポジティブな印象の重ね言葉もありますが、
言い換える方がベターです。
・いよいよ
・日々
・だんだん
***
結婚式での注意点
おめでたい結婚式では、特に気を付けたいものです。
・不幸や不吉を連想する言葉
・重ね言葉
繰り返し = 再婚 を連想させるため、
重ねて使う言葉も避けましょう。
***
普段よく使う“忙”という文字は
“亡”があるため、忌み言葉とされています。
招待状や席次表では、言い換えることが望ましいです。
・お忙しい → おいそがしい(平仮名にする)
・ご多忙の中 → ご多用のところ
***
結婚式でよく見る忌み言葉
忌み言葉 | 言い換え |
お忙しい中 | ご多用のところ |
去年に再会しました | 昨年久しぶりに会いました |
くれぐれもよろしく | 今後ともよろしく |
ケーキカットします | ケーキに入刀します |
これにて終了いたします | これにてお開きといたします |
実家を離れて | 一人暮らしを始めて |
スタートを切ります | スタートラインに立ちます |
ますます精進いたします | より精進いたします |
まだまだ未熟者ですが | 未熟者ですが |
短い時間ではありますが | つかの間ではございますが |
連絡が途絶えて | 連絡をしない時期があり |
***
まとめ
今回は、忌み言葉について見てきました。
不吉な連想をもつものは意識しますが、
ポジティブな意味をもつ言葉でも、
重ね言葉であれば、気を付けましょう。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
参考文献
・広辞苑第6版
・明鏡国語辞典