私たちは普段、以後・以来・以降 を使い分けています。
意識せず、感覚的に使っているので、
もしかしたら、間違っているかもしれません。
特に仕事やビジネスでは、避けたいですよね。
今回は、以後・以来・以降 の意味や違いについて、
学んでいきましょう。
ひとことで表すと
以後 | 以来 | 以降 | |
意味 | ある時点から後 | 過去のある時点から
現在まで |
(その時も含めて)
ある時から後 |
ポイント | ある時点 を強調 | 未来には使えない | 過去・未来ともに使う |
詳しい解説
以後・以降・以来 3つともに、
共通して、“その後・それから” という意味があります。
意味や違いを、ひとつずつ解説していきましょう。
以後
以後の意味
・その時点から後
・これから先・今後
英語では、after にあたります。
以降 で強調するポイントは、“ある時点”です。
(例)
・それ以後は、彼と会っていない。
・以後、気をつけてください。
以降
以降の意味
・(その時も含めて)ある時から後
過去・未来の両方表すことができます。
英語では、以後と同じく、after にあたります。
以降 で強調するポイントは、
“ある時点から先の、時間経過・継続”です。
また、15時以降・来年以降 のように、
単独ではなく、他の語と一緒に使うことがポイント。
(例)
・日程は、11月11日以降でお願いします。
・19時以降は、家にいます。
以来
以来の意味
・過去のある時点から、現在までずっと
ある時点を境として、現在に近づいてくるというニュアンス。
つまり、未来には使えません。
英語では、since にあたります。
(例)
・中学生以来、野球を続けている。
・卒業以来、彼と会うのは初めてだ。
例文・類語
では、例文から、3つの違いを見ていきましょう。
◯ 来週以後の予定
◯ 来週以降の予定
× 来週以来の予定
以来 は、未来には使えないので、誤りです。
◯ 以後のことは、わからない
× 以降のことは、わからない
× 以来のことは、わからない
この 以降 を使っている人、時々見かけます。
“ある時点”が明確ではないので、誤りです。
◯ 以後、彼と会っていない
△ 以降、彼と会っていない
◯ 以来、彼と会っていない
以降 は、単独ではなく、他の語とセットで使います。
◯ 平成以後
◯ 平成以降
◯ 平成以来
どれも正解です。
まとめ
今回は、以後・以来・以降 の意味や違いについて、見てきました。
似ているようで、ニュアンスが若干異なるので、
適切な場面で、使い分けられると良いですね。
参考文献
・広辞苑第6版
・明鏡国語辞典
・類語例解辞典
・できる人が使っている大人の語彙力&モノの言い方