頭が上がらない・頭が下がる の違いは?意味と使い方

 

●更新日:2023/08/22

・彼には頭が上がらない
・彼には頭が下がる

それぞれ、どのような意味でしょうか。

同じ意味だと思っている人も多いですが、
実は全然違います。

今回は「頭が上がらない・頭が下がる」について、見ていきましょう。

***

ひとことで表すと

頭が上がらない
相手に負い目を感じて、対等にふるまえないこと
*
頭が下がる
相手に対して感心して、尊敬の念を抱くこと

詳しい解説

頭が上がらない の意味

頭が上がらない
相手に負い目を感じて、対等に振る舞えないこと

*
相手と自分の差を感じたり、権威に圧迫されたりして、

引け目や負い目を感じている状況です。

このような気持ちでは、
対等な立場で振る舞うことは難しいと感じるもの。

 

(例)
・穴を埋めてくれた山田さんには、頭が上がりません
・以前お世話になったので、あの人には頭が上がりません
・いつも支えてくれるパートナーには、頭が上がらない

*
ちなみに、引け目を感じたことがないような

頭が高い自信家には無縁のフレーズですね。

*頭が高い とは
読み方:ずがたかい
意味:相手を見下げる態度で、横柄なさま
***

頭が下がる の意味

頭が下がる
(対等の立場の人に)感心して、尊敬の念を抱くこと

*

相手に対して、敬服・感服せずにはいられない状況です。

一般的に、感服したときや、崇高なものに触れたときは、
おのずから “頭が下がる” もの。

*

(例)
・山田さんの仕事ぶりには。頭が下がります
・あの毅然とした態度には、頭が下がる
・山田さんの努力には頭が下がる

***

使い分けのポイントと例文

頭が上がらない・頭が下がる は、
どちらも目上の人に対して使うものではありません

なぜなら、
目上の人に対して頭が下がっているのは、自然な状態だからです。

以上のように、意味が異なるため、
両者を混同して使うのは、誤りです。

つまり、両者ともに当てはまるということもありません。

以下の例文は、
頭が上がらない・頭が下がる
どちらが正しいか考えてみましょう。

(1)後輩の山田さんに、ここまで見事に仕切られては、------。
(2)連日の炎天下、外で働いている人には、-----。
(3)上司である私も、山田さんの努力には、-----。

*

解答】

(1)後輩の山田さんに、ここまで見事に仕切られては、頭が上がりません
*
(2)連日の炎天下、外で働いている人には、頭が下がります
*
(3)上司である私も、山田さんの努力には、頭が下がります

***

まとめ

今回は「頭が上がらない・頭が下がる」について、見てきました。

上がる・下がる は、対義語ですが、
意味が異なるため、正しく使い分けたいですね。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

 

参考文献
・広辞苑第6版
・明鏡国語辞典
・明鏡 ことわざ成句使い方辞典

 

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