気になる!「おられる」「いらっしゃる」 違いと使い分け

 

●更新日:2023/07/12
・先生はこちらにいらっしゃる
・先生はこちらにおられる
先生がこっちにいる を尊敬表現した形です。
いらっしゃる・おられる 
敬語として、正しいのでしょうか?
今回は「いらっしゃる」と「おられる」について、
見ていきましょう。
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ひとことで表すと

おられる
・“居る(おる)” + 尊敬の助動詞 “れる”
尊敬語として正しい
・違和感を覚える人も多いため、「いらっしゃる」が無難

詳しい解説

おられる の意味

おられる
・いる・〜でいる の尊敬語
(例) 山田先生という方がおられた
・おることができる
(例) 泣かずにはおられない
動詞 尊敬語 丁重語 丁寧語
居る(いる) おられる
いらっしゃる
おいでになる
おる います
丁重語 とは
・自分の行為や物事を丁重に述べて、相手への敬意を表す
・謙譲語の一種に分類することもある(謙譲語Ⅱ)
他の動詞に付いて、
  • 尊敬語:〜していらっしゃる・〜しておられる
  • 丁重語:〜しております
  • 丁寧語:〜しております
のように、使うことも多いです。
丁重語の おる は、通常「おります」の形で使います。
(例) 
・明日は会社におります
・休日はスポーツをしております
***

いらっしゃる・おられる の使い分け

「おられる」は、尊敬語として違和感を持つ人が多いのが現実です。
謙譲語の一種である丁重語「おる」+ 尊敬の助動詞「れる」
と捉えると、たしかに不思議な構造ですよね。
しかし、いらっしゃる と同様に、
おられる も尊敬語として正しいです。
動詞「居る(おる)」+ 尊敬の助動詞「れる」
  • 「おられる」は尊敬語
  • 「おります」は謙譲語
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◯ 今朝はどちらにいらっしゃいましたか
◯ 今朝はどちらにおられましたか
とはいえ、
文化庁の「国語に関する世論調査」でも、
30%が違和感ありと回答。
尊敬語として使う場合は、「いらっしゃる」が無難でしょう。
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間違いやすい例

外部の人から、部長の所在を聞かれたとき、
どちらが正しい答えでしょうか。
A. 部長は3階にいらっしゃいます 
B. 部長は3階におられます
C. 部長は3階におります
上司であっても、
外部の人に対しては、尊敬語を使うのは間違いです。
答えは、C 。
丁重語の おります を使います。 
意外と間違っている人も多いため、注意しましょう。
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まとめ 

 今回は「いらっしゃる」「おられる」について、見てきました。
どちらも正しい尊敬語です。
しかし、違和感を覚える人がいることを考えると、
無難な「いらっしゃる」を使うほうがいいかもしれません。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。 
参考文献
・広辞苑第6版
・明鏡国語辞典
・問題な日本語
・「言いたいこと」から引ける敬語辞典
・できる人が使っている大人の語彙力&モノの言い方

 

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