ビジネスの場では、取引先など社外の人と
電話をすることもあると思います。
・◯◯はお休みをいただいております。
・どなたに繋ぎましょうか。
両方とも間違いだと知っていましたか?
電話は、顔が見えない分、
言葉だけで、丁寧に伝える必要があります。
今回は、電話を取ったときに使う敬語について、
見ていきましょう。
ひとことで表すと
× 山田はお休みをいただいております
◯ 山田は休みを取っております
誰宛ての電話か聞きたいとき
× どなたにお繋ぎしましょうか
◯ どの者にお繋ぎしましょうか
詳しい解説
担当者が休みのとき
取引先から、その日休んでいる担当者へ、
電話がかかってくることがあります。
× 山田はお休みをいただいております。
◯ 山田は休みを取っております。
◯ 山田は終日不在にしております。
ポイント⒈ 「させていただく」
“〜させていただく”は、主に「する」の謙譲語として使いますが、
自分側の都合による行為や意向を伝える場合にも、使うことがあります。
しかし、謙虚さを示すために多用するのは、
スマートとはいえないでしょう。
基本的に、“〜させていただく”は、
相手の許可や承認を得て、それを行うときに使います。
休みを取得する場合の許可は、取引先では自社ですね。
自分側の都合や意向については、
「〜いたします」や「〜しております」にすると、
丁重に伝えることができます。
「謝罪 + 事実 + 一言」を心掛けると、
スムーズな電話対応ができるので、意識していきましょう。
(例)
申し訳ございません。
山田は本日休みを取っております。
よろしければ、ご用件を承ります。
ポイント⒉ 「お休み」
「お」や「ご」を付けた言葉を、美化語といいます。
尊敬や謙譲の敬意を示すこともありますが、
多くは、言葉を上品にするために付けます。
自社の人の休みについては、へりくだる必要も、上品に見せる必要もありません。
× 山田は、お休みを取っております。
◯ 山田は、休みを取っております。
美化語 については、以下で詳しく解説しています。
合わせて読んでみてください。
誰宛ての電話?
相手に、誰宛ての電話かどうか尋ねるときの表現です。
◯ どの者にお繋ぎしましょうか。
どなた は“誰”の尊敬語です。
よって、社内の誰かを確認したいときに、
尊敬表現にするのは誤用。
ビジネスとしては、”どの者”と言いましょう。
また、以下のように、言い換えてもOKです。
担当者を教えていただけますか。
まとめ
今回は、電話を取ったときに使う敬語について、見てきました。
最初は電話を取るだけで緊張しますよね。
正しい表現を知って使うことで、少しずつ慣れていくと思います。
参考文献
・広辞苑第6版
・明鏡国語辞典
・「言いたいこと」から引ける敬語辞典