貴社と御社の使い分けって?小社・弊社は?

 

 

ビジネスシーンで、相手先の会社のことを「貴社」あるいは「御社」と、
表現したことはありませんか?

きっと一度覚えたら、もう間違えない!と思うでしょう。
では、自分の会社を表す「小社」「弊社」の違いはわかりますか?

今回は、会社の表現について、見ていきましょう。

ひとことで表すと

御社:話し言葉
貴社:書き言葉 

【状況】
・御社・貴社ともに、相手先の会社を敬う語(尊敬語)
・会社以外の場合は、別の尊称を使う必要がある
・自分の会社をへりくだる、小社・弊社は、話し言葉・書き言葉どちらでもOK

詳しい解説

御社・貴社

御社(おんしゃ)・貴社(きしゃ)
意味:ビジネスシーンで取引先など、相手先の企業や会社を敬う語。

 

御社・貴社は、“相手の会社”の尊敬語なので、
“貴社様・御社様”とするのは、二重表現となりNGです。


では、それぞれ違いを見ていきましょう。

御社
会話で使用する = 話し言葉なので、主に打ち合わせや会議などで使います。

余談ですが、御社は話し言葉として、1980年代から使われるようになり、
90年代には、一般的に浸透した言葉だそうです。

 

貴社
文章で使用する = 書き言葉なので、主に書類やメールなどで使います。

汽車・記者・帰社など、他にも“キシャ”と発音する言葉があるため、
話し言葉では使用しません。

貴社の記者 と言ったら、まるで早口言葉みたいですもんね。

 

小社・弊社・当社

相手先の表現を見たところで、自分の会社にも触れたいと思います。

「自社」は言葉のとおり、自分の所属している会社ですが、
状況によって使い分けますので、見ていきましょう。

小社(しょうしゃ)・弊社(へいしゃ)
意味:自分の勤務している会社を謙遜していう語。

社外の取引先やお客様などに対して、へりくだる必要があるときに使います。

弊社・当社に関しては、書き言葉・話し言葉の区別はありませんが、
手紙などの文章の中で使うときは、やや小ぶりの文字で書くほうが良いそうです。

当社(とうしゃ)
当社を使うシチュエーションは2パターンあります。

社内の人に対して
主に社内のプレゼンテーションや会議などで、自社を丁寧に表現するとき

外部や個人に対して対等なケース
関連文書への記述、自社の商品や取り組みなどを報告など、その場でへりくだる必要がないとき

 

例文・類語

貴社・御社は、会社・一般企業に対して敬うときに使うことができます。

会社ではない場合、以下のように個々の表現を使いましょう。

  • 銀行:貴行(きこう)・御行(おんこう)
  • 学校:貴校(きこう)・御校(おんこう)
  • 病院:貴院(きいん)・御院(おんいん)
  • 役所:貴庁(きちょう)・御庁(おんちょう)

補足ですが、書き言葉でも“宛名”の場合は、以下のとおりです。

御中:宛先が会社・組織
 :個人名に対して

まとめ

今回は、「貴社」「御社」について見てきましたが、いかがでしたか?

話し言葉と書き言葉、正しく使いましょう。

小社・弊社も合わせて覚えておくと、どこかで役に立つかもしれません。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

 

 

参考文献:
広辞苑第6版、明鏡国語辞典、類語例解辞典、できる人が使っている大人の語彙力&モノの言い方

 

 

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