間違ってない?「どおりで」と「どうりで」意味と使い分け

 

よく聞く “どおりで” という表現、

実は、2種類あることを知っていますか?

もうひとつは “どうりで” です。

音が似ているため、話している分には気にしないかもしれません。

しかし、文字にするときは、
きちんと使い分ける必要があります。

今回は、「どおりで」と「どうりで」について、
見ていきましょう。

***

ひとことで表すと

どうりで
・意味:原因や理由がわかって納得するさま・なるほど
・“どうりで〜と思った” の形が多い

***
どおりで
・意味:それと同様だ・それと同じ状態だ
・一般的には、漢字の「通りで」と書く
(例) その通りだ・その通り

詳しい解説

どっちが正解?

いきなりですが、AとBの例文について
それぞれどちらが正しいでしょうか?

(A)
・どうりで暑いわけだ
・どおりで暑いわけだ

(B)
・いつもどうりでお願いします
・いつもどおりでお願いします

 

***

(A)は、どうりで暑いわけだ
(B)は、いつもどおりでお願いします が正解。

口で言うと同じように聞こえますが、
文字で書くと違います。

漢字の意味から理由を知りましょう。

***

どうりで の意味

どうりで
漢字:道理で
意味:原因や理由がわかって納得するさま・なるほど

(例) どうりで強いと思った

***

“道理”は、そうあるべき物事の道筋・正しい論理という意味です。

道理にかなった説明 のように使われますよね。

平仮名で書くときは、
どうりで〜だと思った” の形が多いです。

なるほど」と言い換えることができます。

***

どおりで の意味

どおりで
漢字:通りで
意味:それと同様だ・それと同じ状態だ

(例) 予想通りの反応・その通りだ

***

漢字の“通り”には、さまざまな意味があります。

意味 例文
通路 通りに出て遊ぶ
往来・行き来 人の通りが絶えない
通り抜けること 風の通り・通りのいい声
それと同じ状態・方法であること 言われた通りにする・予想通り
方法や種類を数える語 それは2通りある
***

“どおりで” という意味で使う場合も、
一般的には、漢字で書きます。

 

  • 思っていたことと同じ状態であること
  • 変わらず前のままであること

など、込められたニュアンスが微妙に異なりますが、
同じであるという点では、共通しています。

類義語は “と同じような” です。

例文で言い換えて、確認してみましょう。

・例年通りの暑さ
・例年と同じような暑さ
*

・以前の通りにはならなかった
・以前と同じようにはならなかった

***

まとめ

今回は、「どおりで」と「どうりで」について見てきました。

どっちかな?と迷ったときのために、
それぞれ言い換え表現を知っておくのもいいですね。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

 

 

参考文献
・広辞苑第6版
・明鏡国語辞典

 

 

こちらの記事も読まれています。