自分からの連絡は「ご連絡」でもOK?“ご”をつけるケース

 

 

 

メールやチャットなどで、
連絡?ご連絡? と悩んだことはありませんか。

・ご連絡ありがとうございます

相手に対して述べる場合は、“ご”を付けるのはわかるけど、

・ご連絡いたします

自分の行為について、“ご”を付けると自分を敬っているのでは?

と考えてしまうと思います。

今回は、「ご連絡」について、
見ていきましょう。

***

ひとことで表すと

“ご” を付けるケース
尊敬語:相手の行為を敬う場合
(例) ご連絡いただき、ありがとうございます

***

謙譲語:へりくだって、相手を立てる場合
(例) ご連絡いたします

**→ 自分からの連絡を「ご連絡」とするのは正しい

詳しい解説

尊敬語と謙譲語としての「ご」

まず接頭語「ご」をつけるケースには、敬語の意味があります。

  • 尊敬語
  • 謙譲語

尊敬語は、相手を立てて敬うときに使います。

相手の連絡 について敬意を表して、“ご連絡”です。

謙譲語は、へりくだることで相手を敬います。

自分が連絡することについて、へりくだって、“ご連絡”です。

 

• 先方からご連絡がありました → 尊敬語
• 先方へご連絡いたします → 謙譲語

つまり、文脈から読み取る必要があります。

・ご連絡ありがとうございます
・ご連絡いただき、ありがとうございます

この“ご連絡”は、相手への敬意を表している尊敬語であることがわかりやすいと思います。

・ご連絡します
・ご連絡いたします

自分の行為に対して “ご” を付けるの?と迷う人もいますが、
謙譲語として使っているので、問題ありません。

***

美化語としての「ご」

相手の行為を立てる敬語ではなく、
表現をより美しく上品にする言葉として、“ご(お)”を付けるパターンがあります。

これを「美化語」といいます。

(例) お酒・お料理・ご飯

・料理はどうしますか
・お料理はどうしますか

相手によっては、美化語にすることで
敬語と捉えることができる場合もありますが、
一般的には、美化語と呼ばれます。

***

依頼・確認・質問・説明・報告 は?

連絡と同じように迷う言葉に、
依頼・確認・質問・説明・報告 もあります。

これらも、文脈から尊敬語と謙譲語と考えれば、どれも正しい表現です。

言葉と、尊敬語と謙譲語の例を挙げます。

 

言葉 尊敬語の例 謙譲語の例
依頼 ご依頼いただきました件 ご依頼申し上げた件
確認 ご確認よろしくお願いします ご確認いただけますか
質問 ご質問のある方は ご質問がございます
説明 ご説明くださった通り ご説明いたします
報告 ご報告になった ご報告いたします

 

***

まとめ

今回は、「ご連絡」について見てきました。

同じ言葉で尊敬語と謙譲語を表現する、
日本語の難しく、そして奥深い部分だなと思いました。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

 

 

参考文献
・広辞苑第6版
・明鏡国語辞典
・「言いたいこと」から引ける敬語辞典
敬語の指針 平成19年2月2日 文化審議会答申

 

 

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