間違いが多い「ご存知」と「ご存じ」正しいのは?

●更新日:2023/07/06

・あの方をご存知ですか
・あの方をご存じですか

相手が知っているかどうか訪ねるときに使う敬語表現です。

ご存知 とご存じ は、どちらが正しいでしょうか?

今回は「ご存知・ご存じ」について、
見ていきましょう。

***

ひとことで表すと

◯ ご存じ
△ ご存知
*
・知っている の尊敬語
・言い換え表現 → 知っていらっしゃる
*ご存知 は当て字

詳しい解説

ご存じ が正しい

ご存じ(御存じ)の意味
相手を敬って、知っていることを表すという語

知っている の尊敬語なので、
“知っていらっしゃる” と言い換えることもできます。
*

接頭語 “ご” +  存ずる の連用形「存じ」

*
動詞「存ずる」の連用形である “存じ” に、

接頭語 “ご” をつけたもの。

よって、「ご存じ」が正しいです。

一般的には「ご存知」と書かれることも多いですが、
“知”は当て字

本来、“知”という意味はありません。

ちなみに、ご・御 は、どちらでも問題ありませんが。
漢字にすると、少々堅苦しい印象を与えます。

シチュエーションに合わせて、使い分けることが望ましいです。

知っている の敬語

存ずる の意味
・知る の謙譲語

(例) 存じています・ 存じ上げる

・思う の謙譲語

(例) ご迷惑とは存じますが・ありがたく存じます

*
存ずる は謙譲語ですが、
存じ あるいは ご存じ の形では、尊敬語として使われます。

「知っている」
尊敬語:知っていらっしゃる・ご存じ
謙譲語:存じ上げている・存じている
***

ご存知 と書かれる理由

本来は、ご存じ が正しく、
広く使われている ご存知 は当て字です。

ご存知 と書かれるようになった理由を、見ていきましょう。

ご承知」は、
知っていること・承っていること という意味です。

“知る” という意味が共通しているため、
ご承知 と同じように、ご存知 と書くようになった説があります。
*

存知(ぞんち)」は、
心得ている・知っている という意味です。

混同して、ご存知 と書くようになったのかもしれません。

***

まとめ

今回は「ご存知・ご存じ」について、見てきました。

ビジネスでは漢字で、ご存知 と書くケースが多いですが、
当て字ではなく、本来の表現を使っていきたいと思いました。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

 

参考文献
・広辞苑第6版
・明鏡国語辞典
・続弾!問題な日本語
・「言いたいこと」から引ける敬語辞典

 

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