●更新日:2023/06/22
「他人事とは思えない」
これを たにんごと と読んだ人はいませんか?
実は間違いです。
正解は“ひとごと”。
今回は「他人事」について、
見ていきましょう。
ひとことで表すと
◯ ひとごと
△ たにんごと
*
・たにんごと は慣用的だが、ひとごと が望ましい
詳しい解説
もともと人事だった
ひとごと
漢字:人事・他人事
意味:他人にかかわること・自分とは関係ないこと
国語辞典で、「ひとごと」を調べると、
「人事」・「他人事」と書かれています。
意味は、自分に直接かかわりのないこと です。
元々は「人事」という漢字でしたが、
“じんじ”と区別がつかない…という問題点あり。
(例) 人事異動・人事部
この“人”は、他人という意味。
ということもあり、明治の末ごろから、
「他人事」と書くようになりました。
(例)
・自分の過ちなのに、他人事のような言い方だ
・他人事とは思えない
たにんごと が増えている
“ひとごと”に当てた 他人事 の字を
誤って読んだものが「たにんごと」。
本来は“ひとごと” が正しいですが、
近年では、たにんごと と読む人が増えています。
そのため、正式ではないものの、
慣用的とされています。
とはいえ、
まだまだ誤って読んでいると捉える人が多いため、
言葉として正しい、ひとごと と読む方がいいでしょう。
ひとごとの書き方
ひとごと を文字で書く場合、
間違いを防ぐためにも、どれがよいのでしょうか。
・人ごと ・ひと事 ・ひとごと
前述したように、
人事 は“じんじ”と区別が付きにくい → △
他人事 の“他人 = ひと”は難読のため、
たにんごと と間違いやすい → △
ひと事 は“事”という漢字に
違和感のような引っかかりがある → △
以上の理由から、
人ごと・ひとごと と書くのが無難かもしれません。
ある新聞では、人ごと・ひとごと、
ラジオやテレビでは、ひと事・ひとごと のようです。
まとめ
今回は、「他人事」について、見てきました。
ひとごと の漢字は、
時代によって変わっていることがわかりました。
他人 を ひと と読むのは、
知らないと確かに難しいですね。
参考文献
・広辞苑第6版
・明鏡国語辞典
・類語例解辞典
・続弾!問題な日本語