ビジネスで多い「以上になります」は間違い!正しい表現

 

●更新日:2023/06/10

・1000円になります

コンビニや飲食店でよく聞く表現ですが、
間違いと知っている人が多いと思います。

しかし、実は、
ビジネスシーンで使っている人が多いのです。

・報告は以上になります

これは正しい敬語ではありません。

今回は「以上になります」について、見ていきましょう。

***

ひとことで表すと

になります」= 他の状態へと変化する
*”です” の丁寧な表現ではない

× 以上になります

◯ 以上です
◯ 以上でございます

 

詳しい解説

なる の意味

・別の状態に変化する・変化した結果を表す

・ある数量に達する

・物事ができあがる・実現する
 (例) 為せば成る

・時間が経過して、ある時期や時刻・天候に移る

・あるものがいくつかの要素で構成される

・あるものが一定の重要な役割を果たす
 (例)その言葉が励みになる

・物事がそのように決まる
 (例) 集合場所が東京駅になる

・それにふさわしい価値が成立する
 (例) これは絵になる

・他からその恩恵を受ける
 (例) お世話になる・ご馳走になる

・ある要件を満たしたために、一定の罰則が適用される



敬語として使う場合の意味は、

たいてい “別の状態に変化する・変化した結果を表す” です。

(例)
・水が湯になる ・明るくなる
・好きになる  ・夫婦になる

***

〜となります との違いは?

多くは、“〜なる” に言い換えることができます。

  • なる・・変化の到着先というニュアンス
  • なる・・結果物というニュアンス

(例)
・雨で中止になる
・雨で中止となる

***

バイト敬語の代表例

以下は、コンビニや飲食店などでよく聞く表現です。

× こちらがコーヒーになります
× 1000円になります
× レシートになります

「〜になります」は、バイト敬語と呼ばれる表現の一つですが、
これらはすべて誤用です。

バイト敬語とは
・主にバイトで雇われたサービス系の接客で、敬語としてよく使われる表現
・間違っている表現が広まっているケースも多い

ただし、
ある数量に達する という意味で “なる” を使う場合、
以下は正しいです。

◯ 合計は1000円になります
◯ 今年3年目になります

***

ビジネスで多い間違いに注意!

バイト敬語が広まった結果、
ビジネスの場でも使われているケースが多いです。

(例)
× 以上になります
× こちらが資料になります
× 確認が必要になります

「になります」は、
一見丁寧なイメージを受けますが、間違いです。

なぜなら、他の状態へと変化しないからです。

“です” の敬語ではありません

厳しい言い方に見られたくない という気持ちから使う人も多いようです。

しかし誤用なので、社会人としては使うことはNGです。

です」「でございます」が正解です。

× 以上になります
◯ 以上です
◯ 以上でございます
*

× こちらが資料になります
◯ こちらが資料です
◯ こちらが資料でございます
*

× 確認が必要になります
◯ 確認が必要です
◯ 確認が必要でございます

***

まとめ

今回は、「以上になります」について、見てきました。

ビジネスシーンで使っている人が本当に多いです。

誤用なので、気を付けて正しい表現を使いましょう。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

 

参考文献
・広辞苑第6版
・明鏡国語辞典

 

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