●更新日:2023/06/30
・社長がおっしゃられる
この表現を見聞きしたことはありますか?
尊敬表現にするときの敬語ですが、
実は、よくある間違いです。
今回は「おっしゃられる」について、
見ていきましょう。
ひとことで表すと
◯ おっしゃる
*
・おっしゃられる は二重敬語のため誤用
・過去形の おっしゃられた も誤用
詳しい解説
おっしゃられる は誤用
おっしゃられる = おっしゃる + れる
「おっしゃる」は、“言う” の尊敬語です。
言われる・おっしゃる・仰せられる・仰せになる
おっしゃる は、漢字では「仰る」と書きます。
ちなみに、
仰せられる は おおせられる
仰せになる は おおせになる と読みます。
*
れる
この場合で使う助動詞「れる(られる)」は、尊敬の意味を表します。
つまり、
おっしゃられる という言葉の中に、尊敬語が2つある状態。
これを二重敬語といいます。
一つの語について、同じ種類の敬語を二重に使ったもの
主にビジネスシーンで、
おっしゃられる を使う人は多いですが、誤用です。
二重敬語は、過剰な敬語のため、正しいとはいえません。
マナーとして、避けるほうが無難でしょう。
おっしゃる(仰る) だけで尊敬の気持ちを表しているのです。
おっしゃられた も誤用
また、話していたことを敬語にする場合に、
「おっしゃられた」とする人もいます。
これも、二重敬語である おっしゃられる を
過去形にした形なので、誤用です。
おっしゃった が正しいです。
(例)
× 社長が おっしゃられた通りに 対応いたします
◯ 社長が おっしゃった通りに 対応いたします
◯ 社長が お話しになった通りに 対応いたします
◯ 社長が 仰せられた通りに 対応いたします
仰せられる・仰せになる は、やや古風な言い方ですが、
おっしゃる よりも、さらに尊敬の度合いが高い言葉です。
まとめ
今回は「おっしゃられる」について、見てきました。
丁寧さを意識するあまり、二重敬語を使う人も多いです。
誤用なので、避けましょう。
マナーとして正しい敬語を使っていきたいですね。
参考文献
・広辞苑第6版
・明鏡国語辞典
・「言いたいこと」から引ける敬語辞典