「違和感を感じる」は誤用?正しい?

 

●更新日:2023/07/08

「違和感を感じる」という表現を、
見聞きしたことはありませんか?


それとも普段から何気なく使っていますか?

“感”が2回あるのは正しい…?

今回は「違和感を感じる」について、見ていきましょう。

ひとことで表すと

違和感を覚える・違和感がある
違和感を感じる*

・似たような言葉を重ねることは間違いではないが、避ける方がベター

詳しい解説

ネット上にも、
「違和感を感じる」と書かれた記事が、たくさんあります。


正しい表現なのでしょうか?
まず意味から見ていきましょう。

違和感 の意味

違和感
・ちぐはぐで、しっくりしない感じ
・周りのものと調和がとれていないという感じ

 

「違和感」自体に、“感じ” の意味が含まれています。

そのため、
「〜感を感じる」は、重複した表現になるのです。

「違和感がある」「違和感を覚える」は、
もちろん正解です。


普段の会話の中で、
「違和感を感じる」を口に出しても、あ
まり気に留めないかもしれません。


しかし、文字として書いた途端に、
“感” が2回続くため、違和感を覚えてしまうのです。

このような言葉を、重言(じゅうげん)といいます。

同じような意味の語を重ねて使う言い方


重言は間違いではありませんが、

キレイな文章じゃない・字面が悪くて冗長、という印象を受ける人もいるため、
通常は避ける方がいいとされています。

 

 

いろいろな重言

ここでは「違和感を感じる」以外の、
重言といわれる表現を、いくつか紹介します。

重言 正しい表現
一番最初に着いた 最初に着いた
約1年ほど 約1年・1年ほど
第1回目 第1回・1回目

以下は、頭痛が痛い と同じように、
誤用とイメージが強いため、正しく使いましょう。

 

重言 正しい表現
電車に乗車する 電車に乗る・乗車する
後で後悔する 後悔する
馬から落馬する 落馬する

 

ちなみに、
どうしても重言じゃないとしっくり来ないというときは、

新しい情報を加えることで、かなり自然な表現になります。

(例) 花が開花する → 桜の花が開花する

まとめ

今回は、「違和感を感じる」について見てきました。

重言は、使ってはいけないというわけではありませんが、
キレイではないため、避けるほうがベターです。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

 

 

参考文献
・広辞苑第6版
・明鏡国語辞典

 

 

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