・じゅうぶん に検討して回答します
十分と充分、どちらの漢字か迷うことありませんか?
同じような意味だけど、
なんとなく使い分けているかもしれません。
今回は、十分と充分について、
見ていきましょう。
ひとことで表すと
・意味:満ち足りて何の不足もない
・本来は「十分」
・どちらを使っても問題ない
詳しい解説
十分・充分の意味
どちらも、
満ち足りて何の不足もないという意味。
本来は「十分」で、古くからの表記です。
「充分」は、充足など 満ち足りた という、意味合いから出たもの。
ちなみに、広辞苑には、
「充分」は“十分と同じ” とだけ、書かれています。
十分と充分の違いは?
意味の違いはありませんが、漢字が異なるだけです。
文科省では、「充分」は当て字であり、
推奨は「十分」ですが、どちらを使っても問題ありません。
しかし、
一部サイトでは、以下のように、
使い分けるような説明もあります。
- 十分・・数量的・物理的
- 充分・・精神的・主観的 (気持ち)
あくまでもニュアンスなので、
どちらでも問題ないですが、参考までに。
(例)
・これだけあれば十分だと思います
・その気持ちだけで充分です
不十分 or 不充分 どっち?
反対の意味を表す “不十分”
足りないことがあって満足できないことです。
国語辞書には、「不充分」の記載はありません。
しかし、「不十分」の項目に、
“不十分(不充分)” と書いてあるため、どちらでも問題はなさそうです。
とはいえ、
一般的に “不充分” は、あまり見ないかなと思います。
(例)
・説明が不十分で理解ができない
・証拠不十分
時間の10分と見分ける
(例) 10分寝た
「十分寝た」と書くと、
・10分寝た?
・たくさん寝たという意味の“じゅうぶん”?
どちらかわかりにくく、紛らわしいため、
その場合は、“充分”を使うこともあります。
◎ 充分寝た
◯ 十分寝た
ちなみに、
“十二分”は、十分 を強めた言い方です。
十二分に満足する という表現がありますが、
充二分に満足する とは書きません。
気持ちを強調する
“満ち足りている” というニュアンスを強く出すときに、
「充分」と使うケースもあります。
(例)
・十分に満足した
・充分に満足した
十分 でもまったく問題ありませんが、
“充分”にする方が、満ち足りている様子が伝わる効果があります。
まとめ
今回は、十分と充分について見てきました。
漢字では異なりますが、意味は同じだとわかりました。
ニュアンスに応じて、使い分けるのもいいですね。
参考文献
・広辞苑第6版
・明鏡国語辞典
・類語例解辞典
・問題な日本語