誤用だらけ「確信犯」本来の意味と正しい使い方

 

●更新日:2023/07/24

・あの思わせぶりな行動、絶対に確信犯だよね。

 

「確信犯」は、日常生活でも耳にすることが多い言葉です。

しかし、本当は、日常で気軽に使うものではありません。

今回は「確信犯」について、見ていきましょう。

***

ひとことで表すと

確信犯
・本来の意味
   自分の行動が、今ある法律よりも正しいと確信して行う犯罪
*
・広まっている意味
 それが悪いことだと知りつつ、あえておこなう行為

詳しい解説

広まっている意味

(例) あの思わせぶりな行動、絶対に確信犯だよね。

 

例文のように、
悪いことだと自覚していながら行うこと、またそれを行う人
という意味が、広まっています。

 

本来の意味

確信犯

  • 道徳的・宗教的または政治的確信に基づいて行われる犯罪
  • 自らの行為を正しいと確信してなされる思想犯・政治犯・国事犯

*

簡単に書くと、
自分の行動が、今の法律よりも正しいと信じて行う犯罪 のこと。

 

法律に関係する学術用語です。

社会の変動期に政治犯罪として表れることが多い点が特徴。

 

近年では一般的に、テロリズムやテロという言葉を
使うことが多くなっています。


現在広まっている意味では、

悪いとわかっていながら、犯罪行為をする
というニュアンスだけを踏まえているのです。

犯罪とはいえない、ちょっとした悪さやズル賢さなどの
日常のできごとにも、当てはめて使われるようになっています。

 

 

文化庁の「国語に関する世論調査」では、
本来の意味で使う人が、とても少ないという結果が明らかに。

悪いことであるとわかっていながら、あえて行うこと
という意味で使う人のほうが、圧倒的に多いことがわかりました。

最近では、広辞苑をはじめとする国語辞典に、
本来の意味ではないほうも、書かれています。

広辞苑より
⑵ 俗に、それが悪いことと知りつつ、あえて行う行為

***

まとめ

今回は「確信犯」について、見てきました。

本来は、日常ではほとんど使わない犯罪を指す言葉です。

言葉は生き物といいますが、
本来の意味を知った上で、使っていきたいですね。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

 

参考文献
・広辞苑第6版
・明鏡国語辞典
・百科事典マイペディア
・できる人が使っている大人の語彙力&モノの言い方
文化庁 「確信犯」の意味

 

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