迷いやすい!「利く」「効く」 の違いと使い分け

 

 

●更新日:2023/08/20

・マッサージがきいた
・ワサビがきいたお寿司

“効く”と“利く”のどちらを使うか、
迷うことはありませんか?

今回は「利く・効く」について、見ていきましょう。

***

ひとことで表すと

利く
そのものの特性が機能する可能である のニュアンスが強い場合
*
効く
効果が出る効き目がある のニュアンスが強い場合

詳しい解説

利く・効く の意味


  • 効果や効能が現れる・効き目がある

(例)
・この薬は頭痛によく効く
・この部屋は冷房が効いていない
・説教が効いて真面目になった
・宣伝が効いて連日満員だ

***
  • 利・効
    そのものの特性や機能が強く現れる

(例)
・この料理は酸味が利いている
・唐辛子の利いた漬け物

*唐辛子の効いた漬け物

“効”にすると、特にその効果に言及するといった
ニュアンスが強くなります。

***

  • ・身体の機能がきちんと働く・また高度に働く

(例)
・年をとって体が利かない
・私は左利きです
・風邪で鼻が利かない

***

  • 精神の機能や制御がよく働く・またその機能が他に及ぶ

(例)
・彼は気が利く
・融通が利く
・抑制の利いた演技

*抑制の効いた演技
特に、その効果に重きをおく場合は、
“効”にすることもあります。

***

  • ある機械の機能がきちんと働く

(例)
・車のブレーキが利かない
・小回りが利く

***

  • それをすることが可能である・できる

(例)
・見通しが利く
・無理が利かなくなった
・保険が利く

・学割が利く

***
  • 口を利く」という形で
    話をする・会話を交わす・そのような物言いをする
    *

    (例)
    ・誰とも口を利かない
    ・生意気な口を利く
    ・無駄口を利く
***
  • 口を利く」という形で
    間に立って世話をする・仲介の面倒をみる


    (例) 父が山田さんに口を利いてくれた
***

利く・効く を選ぶポイント

主に “利く” は、
充分に働く、することができるという意味で使います。

***

充分に働くという意味
(例)
・暗やみでも目が利く
・彼は気が利く

***

することができるという意味
(例)

・ツケが利く
・無理が利かない

***

一般的に、効果が出るという意味では、
“効く” にするとよいでしょう。

(例) 薬が効く

***

利く を使う慣用句

“利く”を使う慣用句を紹介します。

・押さえが利く
・顔が利く
・気を利かせる
・潰しが利く
・睨みを利かせる
・幅を利かせる
・目が利く
・目端が利く
・山葵が利く

***

まとめ

今回は「利く・効く」について、見てきました。

例文の解答は、以下の通りです。

・マッサージが効いた
・ワサビが利いたお寿司

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

 

参考文献
・広辞苑第6版
・明鏡国語辞典
・類語例解辞典
・明鏡 ことわざ成句使い方辞典

 

こちらの記事も読まれています。