●更新日:2023/06/06
こえる という漢字には、越える・超える があります。
・時代をこえる
この場合は、どちらが正解でしょうか。
越える・超える の使い分けは、
意外と迷いやすいのです。
今回は、越える・超える について、
見ていきましょう。
ひとことで表すと
場所や時間を通過して、向こう側へ行く
*
「超える」
一定の分量や範囲を過ぎて、それ以上になる
数字で表すことができるもの
詳しい解説
越える・越す
意味
場所や時間を通過して、向こう側に行く
場所というのは、
特定の場所や位置、物理的な物、障害、境界などがあります。
物の上を過ぎていく、
あるいは、障害などを乗りこえていく のように,
通過点より先へ行く というイメージです。
(例)
・山を越える
・国境を越える
・年を越す
・試練を乗り越える
また、越す には、来る・行く の意味もあります。
追い越す・引っ越す という表現からもわかりますね。
(例)
◯ ぜひお越しください。
× ぜひお超しください。
超える・超す
意味
一定の基準や限度、範囲、数量など、
ある程度や限界を過ぎて、それ以上になる
定員、重さ、予想をはじめ、
数字で表すことができるものは、“超える”と表します。
イメージは、上回る です。
(例)
・気温が30℃を超えた
・入場者が1000人を超えた
・一線を超える
また、
先に行く人の実力や実績を上回る場合など
順序を追わずに進むという意味でも使います。
(例) 先輩を超えて、昇進する
どうしてもどちらか迷うとき
越える・超える の意味や使い方を見てきましたが、
どうしても使い分けが難しいケースもあります。
(例) 80歳をこえる人が増えた
80 という具体的な数字があるため、
“超”が正解です。
しかし、
80 という通過点と捉えると、
“越える” と書いても間違いではないのです。
このように、どちらか迷う場合や、
両方の意味を込めたい場合は、
平仮名で“こえる”と書くこともあります。
ちなみに、“超過する”という表現は、
両方の漢字を使いますが、これは“超える”の意味です。
超越する と言い換えることができる場合は、
“超える”が正解です。
(例)
・人知を超越する → 人知を超える
・世俗を超越する → 世俗を超える
まとめ
今回は、越える・超える について、見てきました。
迷いやすい言葉なので、
ポイントを知って、きちんと使い分けていきたいですね。
参考文献
・広辞苑第6版
・明鏡国語辞典
・類語例解辞典
・新漢語林