丁寧にお願いするとき、
「ください」を語尾につけると思います。
漢字の「下さい」と、平仮名の「ください」
文章として書く場合、どちらを使いますか?
実は、好みではなく、使い分ける必要があるのです。
今回は、「下さい」と「ください」について、
見ていきましょう。
ひとことで表すと
・相手に、物や何かを「くれ」と丁寧に伝える場合
・“頂戴したい”と言い換え可能
(例) 食べ物を下さい
平仮名の「ください」
・相手へ何かを丁寧にお願いする場合
・補助動詞として添える
(例) お食べください
詳しい解説
下さい の意味
下さい (ください)
(1)「くれ」の尊敬語
・相手へ、物など何かを要求・依頼する意味
・頂戴したい
(2)「くださる」の命令形である「くだされ」の口語形
・動詞の後ろに添えて、相手に何かを要望・懇願する意味
・お〜ください・ご〜ください・て〜ください の形で使う
「下さい」と使うとき
相手に、物や何かを「くれ」と丁寧に伝える場合に、
漢字の「下さい」を使います。
英語では、give のイメージです。
また、“頂戴したい”と言い換えても、意味が通ります。
(例)
・飲み物を下さい
・少し時間を下さい
・Aのランチセットを下さい
「ください」を使う場合
補助動詞として添えて、相手へ何かを丁寧にお願いするときに、
平仮名の「ください」を使います。
英語では、please のイメージです。
(例)
・お飲みください
・気を付けてお越しください
・こちらをご覧ください
例文と類語
以下の文章は、「下さい」と「ください」どちらでしょうか?
お返事を下さい or お返事をください
問題2
頑張って下さい or 頑張ってください
問題3
ご自愛下さい or ご自愛ください
***
問題4
良いお年をお迎え下さい or 良いお年をお迎えください
順番に見ていきましょう。
問題1
お返事を下さい or お返事をください***
答え:お返事を下さい
返事がほしい という意味なので、漢字の「下さい」が正解です。
“お返事を頂戴したい” と言い換えることができますね。
問題2
頑張って下さい or 頑張ってください***答え:頑張ってください
頑張れ を丁寧に伝えるときの表現ですね。
頑張る の補助動詞として添えているので、
平仮名の「ください」が正解。
問題3
ご自愛下さい or ご自愛ください***答え:ご自愛ください
ご自身の体を大切にする と伝えるときの表現で、
主に、手紙やメールで使います。
「自愛」に添えているため、平仮名の「ください」が正解です。
問題4
良いお年をお迎え下さい or 良いお年をお迎えください***
答え:良いお年をお迎えください
良い年を迎えてくれ を丁寧に伝えたいときに使う
「ください」は平仮名です。
この形にすると、漢字の「下さい」を使う人が多いため、
注意しましょう。
まとめ
今回は、「下さい」と「ください」について見てきました。
間違えないように、きちんと使い分けていきたいですね。
参考文献
・広辞苑第6版
・明鏡国語辞典