相手からアドバイスを受けて、お礼を伝えるとき、
どちらを使いますか?
「教えてくださり、ありがとうございます」
「教えていただき、ありがとうございます」
両方とも見聞きする表現なので、
今回は、違いや使うときのポイントを、学んでいきましょう。
ひとことで表すと
・いただき → <謙譲> 自分がお願いして、何をしてもらったとき
(例)
ご参加くださり、ありがとうございます。
ご参加いただき、ありがとうございます。
詳しい解説
まず、どちらも間違いではなく、正しい表現です。
お〜くださる / ご〜くださる
謙譲語
お〜いただく / ご〜いただく
ご参加くださり、ありがとうございます。
ご参加いただき、ありがとうございます。
明確に使い分ける必要はないとされていますが、
実は感謝するポイントが異なるので、それぞれ解説します。
ご参加くださり
- くださる・・くれる の尊敬語
相手が参加してくれたことに対して、感謝をしています。 - くださり → 相手が(主体的に)何かをしてくれたとき
ご参加いただき
- いただく・・もらう の謙譲語
自分の誘いを受けて、参加してくれたことに対して、感謝をしています。 - いただき → 自分がお願いして、何をしてもらったとき
例文・類語
教えてくださり、ありがとうございます。
教えていただき、ありがとうございます。
教えてくださり
相手が主体的に、(厚意で)教えてくれたという状況で、
使うほうが望ましいです。
教えていただき
自分が教えてほしいとお願いして、相手が教えてくれたという状況で、
使うとよいでしょう。
上司や先輩などに対して、アドバイスをお願いしたときは、
“教えていただき” にすると、よい印象を与えやすいと思います。
補足ですが、よくある間違いを見ておきましょう。
× お(ご)〜していただく
× ご注意してください。
◯ ご注意ください。
◯ 注意してください。
× ご案内していただけますか。
◯ ご案内いただけますか。
◯ 案内していただけますか。
お〜する / ご〜する は、自分の行為に対して使う謙譲表現なので、
”〜して” を加えるのは誤用です。
ありがとうございます 伝えるときは、問題ないと思いますが、
別の表現をするときに、時々見かけます。
使うときは注意してくださいね。
まとめ
今回は、くださり・いただき の違いについて見てきました。
いつでも“いただき”にせず、
状況に応じて、“くださり”も使うとよいですね。
参考文献:
広辞苑第6版、明鏡国語辞典
「言いたいこと」から引ける敬語辞典
できる人が使っている大人の語彙力&モノの言い方