コンビニやレストランで聞く、「〜円になります」は、
間違っていると知っている人は多いですが、
「以上になります」と、ビジネスで使っていませんか?
これも同様に誤りです。
今回は「〜になります」について、理解していきましょう。
ひとことで表すと
詳しい解説
まずは、「なる」の意味を見ていきましょう。
なる (成る・為る)
10個以上の意味がありますが、ここでは関連するものだけをピックアップします。
・ある状態から他の状態へと変化する
例:予定が変更になる。水が湯になる。
・時間が経過して、ある時期・時刻・天候などに移る。
例:約束の時間になった。明日は雨になりそうだ。
・ある数量に達する
例:出費は合計して1万円になる。来年で30歳になる。
つまり、自然のなりゆきで変化して、別の状態が現れる という意味があります。
・〜円になります。
・こちらに〜なります。
・以上になります。
“です”の丁寧語と考えて、使っているようですが、3つとも誤用です。
これらは、バイト敬語と呼ばれています。
・コンビニなどで働くアルバイト店員による接客で、敬語として使われる、特徴的な日本語の表現
・間違っている表現が広まっているケースも多い
(合計で)〜円になります という意味で、使っているとも考えられますが、
〜円です・〜でございます が正しい表現です。
ちなみに、〜になります と 〜となります は、同じ意味と捉えて問題ありません。
ただ、〜となります のほうが、ややかしこまったニュアンスを含んでいます。
例文・類語
よく見るけれど、間違っている表現について、学びましょう。
× こちらが資料になります。
◯ こちらが資料でございます。
目の前にある資料が、何か別のものに変化するわけではないので、”になります”は間違いです。
× 印鑑が必要になります。
◯ 印鑑が必要です。
”〜が必要になります” は、丁寧なように聞こえますが間違いです。
"〜が必要です" が断定的でやや厳しく聞こえるため、やわらかく丁寧に伝えたいときもあると思います。
その場合は、”〜が必要ですので、・・・・よろしくお願いします” のように、
言葉を付け加えるなど、工夫をしましょう。
〜になりますでしょうか。
・なります・・なる の丁寧語
・でしょうか・・だろうか の丁寧な表現
両方とも丁寧な表現のため、二重敬語にあたります。
まとめ
今回は、「〜になります」について見てきましたが、いかがでしたか?
丁寧に聞こえますが間違っている表現のため、注意しましょう。
参考文献:
広辞苑第6版、明鏡国語辞典、
「言いたいこと」から引ける敬語辞典