「相違ありません」「違いありません」は同じ?

 

 

 

ビジネスの場面では、相手の意見が合っているとき、
「相違ありません」と伝えることがありますよね。

同じような意味の「相違ございません」や「違いありません」との違いは、わかりますか?

今回は、「相違ありません」について理解していきましょう。

ひとことで表すと

相違ありません < 相違ございません

【状況】
相手の意見や認識に対して、食い違いがなく、合っていると伝える表現
「相違ございません」のほうが、敬意が高い。

・相違ない・・確実にそうであるという完全な肯定
・違いない・・事実かどうか未確認である場合も含む肯定

詳しい解説

まずは、「相違ありません」を分解して、意味を見ていきましょう。

相違ありません の意味

相違ありません → 相違 + ありません

相違 (そうい)
たがいに違っていること、一致しないこと
ただ違うのではなく、何かと異なり一致しないという意味。

ありません
ありません・ございません は、“ない”の丁寧語。

よって「相違ない」を、丁寧な表現にしたものが、
「相違ありません」あるいは「相違ございません」です。

また一般的な敬語の度合いは、以下のとおりです。

相違ない < 相違ありません < 相違ございません

「相違ない」と「間違いない」の違い

次は、「相違ない」と「間違いない」の違いを見ていきます。

 

相違ない
・明らかに間違いがなく、確実である場合

・事実であることを、はっきりと言いきる表現。

→ 完全な肯定 =“まったくその通り

違いない
・事実かどうかは確認できていないものの、実際にそうである確率が高いと考える場合。

・強い確信があるものの、推測の範囲であるというニュアンスを含む。

→ 不確かさを含む肯定 =“ほとんどその通り

例:今日は晴れるに違いない。

つまり、どちらも相手の意見や認識に対して、
食い違いがなく、合っている旨を伝える表現です。

ビジネスシーンでは、
上司や取引先には、敬語の度合いが高い「ございません」がベター。

メールでも、「相違ございません」と伝える方が良いでしょう。

例文・類語

「相違ありません」は、注意する点も多いため、、もう少し学びましょう。

△ 間違いありません

“間違い”は、はっきりと誤りを指摘されたという印象を受ける人もいるため、
避けるほうが無難です。

 

相違ございませんでしょうか。

・ございません ない の丁寧語
・でしょうか  だろうか の丁寧な表現

両方とも丁寧な表現のため、二重敬語にあたります。
よく見かけるので注意しましょう。

まとめ

今回は、「相違ありません」について見てきましたが、いかがでしたか?

「相違ございません」のほうが、より丁寧に伝わると覚えましょう。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

 

 

参考文献:
広辞苑第6版、明鏡国語辞典
「言いたいこと」から引ける敬語辞典

 

 

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