●更新日:2023/06/26
「問題ないでしょうか」は、ビジネスシーンでよく見る表現です。
上司など目上の人に対して、より丁寧にするために、
以下を使うことはありませんか?
・問題ありませんでしょうか
・問題ございませんでしょうか
丁寧にしたこれらの表現、
実は、敬語として正しくありません。
今回は「問題ないでしょうか」について、
見ていきましょう。
***
ひとことで表すと
◯ 問題ないでしょうか
× 問題ありませんでしょうか
× 問題ございませんでしょうか
*
ありませんでしょうか・ございませんでしょうか → 二重敬語のため誤用
× 問題ありませんでしょうか
× 問題ございませんでしょうか
*
ありませんでしょうか・ございませんでしょうか → 二重敬語のため誤用
詳しい解説
使うシチュエーション
問題ないでしょうか = 問題 + ない + でしょう + か
問題 は、面倒な事柄や、解決を必要とする課題 という意味。
問題がないことを伝える場合、
同僚や部下であれば「問題ないです」でOK。
目上の人に伝えるときなど、丁寧にしたい場合は、
以下のような、表現にしましょう。
- 問題ありません
- 問題ございません
***
でしょう = だろう の丁寧な表現なので、
問題ないでしょうか は、正しい敬語です。
作成した資料や提案した内容など、
自分が行ったことについて、
問題がないか、相手に確認するときに使います。
***
二重敬語に注意!
通常 | 丁寧な表現 |
問題ない | 問題ありません 問題ございません |
同じように考えて、
問題ないでしょうか を丁寧にすると、以下の表現です。
- 問題ありませんでしょうか
- 問題ございませんでしょうか
使っている人をよく見ますが、二重敬語なので誤用です。
二重敬語とは
一つの語について、同じ種類の敬語を二重に使ったもの
一つの語について、同じ種類の敬語を二重に使ったもの
***
<通常> ********問題 + ない + だろう + か
**************************↓
<二重敬語>*****問題 + ありません + でしょう + か
ございません
**************************↓
<二重敬語>*****問題 + ありません + でしょう + か
ございません
- ない → ありません / ございません ・・丁寧語
- だろう → でしょう ・・丁寧語
誤用なうえに、長ったらしく、くどい印象を与えます。
後述する適切な表現を使いましょう。
***
言い換え表現
「問題ないでしょうか」は、
上司に対して使う自体、間違いではありません。
より丁寧にしたい場合は、
“ない”だけ を変えるとよいでしょう。
・問題ありませんか
・問題ございませんか
・問題ないでしょうか
<敬意の高さ>
問題ございませんか > 問題ありませんか > 問題ないでしょうか
***
まとめ
今回は「問題ないでしょうか」について、見てきました。
丁寧さを意識し過ぎるあまり、
二重敬語を使ってしまうケースも多いです。
気をつけて正しい敬語を使っていきたいですね。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
参考文献
・広辞苑第6版
・明鏡国語辞典