未対応・非対応・不対応 には
すべて「対応していない」という意味があります。
どれも似ているようで、ニュアンスが微妙に異なります。
今回は、未対応・非対応・不対応の違いについて、
見ていきましょう。
ひとことで表すと
未対応:今は対応していない & 将来はわからない
非対応:今は対応していない & 今後の対応予定もない
不対応:今は対応していない
詳しい解説
未対応
“未” は、まだ〜していない を表すため、
「未対応」は、まだ対応していない、今のところ対応していない
という意味です。
現在は対応していないものの、将来的には対応するかもしれない、
つまり、その後は分からない というニュアンスが含まれます。
(例)
現在このエリアは、5G回線が未対応です。
いつかはわからないけど、将来5G回線に対応するかもしれない
という意味が含まれます。
非対応
“非” は、それには当たらない・それ以外である を表すため、
「非対応」は、ある物事に応じた状態ではない
という意味です。
現在だけではなく、今後も対応の予定もない というニュアンスを含みます。
対応すること自体がありえない状況、と捉えてもよいでしょう。
(例)
・この容器は、電子レンジ非対応です。
・このソフトは、対象端末では非対応です。
不対応
未対応や非対応にくらべて、
不対応 はあまり見かけないかもしれませんが、確認してみましょう。
“不” は、否定・打ち消し を表すため、
「非対応」は、対応しない・対応できない という意味です。
将来、対応するかどうかのニュアンスは含まず、
あくまで、現時点の状態だけを表します。
今、物事に対して対応しないこと、対応できないこと
を伝えるときに、使える言葉です。
(例)
あの店舗は、デリバリー不対応だって。
ビジネスで「対応できない」は?
ビジネスシーンで、対応できないことを伝えることもあると思います。
資料を作成するとき、現時点の事実として
未対応・非対応・不対応 と書くこともあるかもしれません。
しかし、
メールなどの文章中では、書くことは少ないでしょう。
文章での 対応できない・対応が難しい と伝えるときの
ポイントを見ていきます。
クッション言葉 を添える
お客様や取引先に対して、
断りを入れることは、できるだけ遠慮したいもの。
前にクッション言葉を添えることで、
少しやさしい印象に変えることができます。
・大変恐縮ですが
・誠に申し訳ございませんが
クッション言葉については、以下で詳しく書いています。
合わせて読んでみてください。
対応できない の表現
“です” “ます”は、丁寧語ですが、
「対応できません」は直接的なので、避ける方がいいでしょう。
そこで、できないことを肯定的に伝える表現にします。
・対応いたしかねます
・対応できかねます
いたしかねます・できかねます にすることで、
遠回しに伝えることができます。
二つの違いなど、詳しくは以下に書いています。
これも合わせて読んでみてください。
まとめ
今回は、未対応・非対応・不対応について見てきました。
それぞれの違いを知ることで、
将来は対応できるのかどうかを予想できますね。
参考文献
・広辞苑第6版
・明鏡国語辞典