ビジネスの場面で、正しい敬語を使うこと前提です。
前提に加えて、丁寧さも加わることで、
上司に好かれる可能性もアップするでしょう。
今回は、特に間違いやすい例文を通して、
社内の敬語について、見ていきましょう。
ひとことで表すと
間違った表現 | 正しい表現 |
読ませてもらいました | 拝読いたしました |
全然大丈夫です | 全然問題ありません |
やらさせていただきます | やらせていただきます |
詳しい解説
読ませてもらいました はNG
◯ 読ませていただきました
◎ 拝読いたしました
拝読 (はいどく)の意味
・つつしんで読むこと
・読む の謙譲語
この「〜てもらう」は、
相手の行為によって、自分が利益や恩恵を受ける という意味。
どこか上から目線な印象を感じられるため、
目上の人に対して使うのは、適切とはいえません。
へりくだった表現にするほうが、良い印象になります。
ちなみに、「拝読しました」も問題なく、正しい表現です。
敬意の度合いで考えると、拝読いたしました の方が、
より丁寧に伝わるでしょう。
× 拝読させていただきました
拝読 + させていただく は、二重敬語にあたるためNG。
全然大丈夫です は避ける方がよい
◯ 全然問題ありません
◯ 全く問題ありません
全然(ぜんぜん) の意味
・(後ろに否定的な表現のセットで) まったく〜ない・ちっとも〜ない
・(肯定的に) 非常に
実は、明治時代では、全然大丈夫 のように、
肯定的な表現が、一般的でした。
しかし、時代の流れによって変わり、
現代では、否定的な表現 が適切とされています。
そのため、ビジネスの場面では、
「全然〜ない」の形が望ましいでしょう。
今まで使っていた人は、
プライベートでのみ使うよう、意識することが大切ですね。
さ入れ言葉は誤用
◯ やらせていただきます
◯ させていただきます
この「やる」は、ある動作・行為をする という意味ですね。
シンプルに、
「させていただきます」にしてもOK。
謙譲語にする場合は、
“さ”を入れない、やらせていただきます が正解。
不要な場面で、さ が入る「さ入れ言葉」は誤用なので、
気をつけましょう。
さ入れ言葉 については、以下で詳しく解説しています。
合わせて読んでみてください。
まとめ
今回は、特によく見る例文を通して、
社内の敬語について見てきました。
姿勢や態度はもちろんですが、
正しい敬語を使っているかどうかも、上司は見ていると思います。
できる社会人になっていきたいですね。
参考文献
・広辞苑第6版
・明鏡国語辞典
・「言いたいこと」から引ける敬語辞典