「お仕事・お手紙・ご相談・ご丁寧」
日々生活していると、仕事やプライベートにかかわらず、
“お” や “ご” が付く言葉を使うことや、耳にすることがあると思います。
この言葉には、“お” や “ご” を付けてもいいのか、
それとも間違っているのか、と悩むことはありませんか?
何でも付けると、かえって失礼にあたることもあるのです。
今回は、“お” “ご”を付けることについて、見ていきましょう。
ひとことで表すと
・美化語 (上品にする言葉)の役割
・尊敬・謙譲として使っている場合
例:ご連絡があった。/ ご連絡を差し上げる。
<注意点>
・外来語には付けない(NG:おビール)
・付けすぎると、かえって失礼にあたることもある
詳しい解説
まずは、美化語について、確認しましょう。
美化語とは
・読み方:びかご
・表現をより美しく、上品にするための言葉
美化語には、大きく3つの種類があります。
- 「お」を付ける
例:お体・お金・お化粧・お財布・お酒・お食事・お電話 - 「ご」を付ける
例:ごあいさつ・ご意見・ご希望・ご参加・ご相談・ごゆっくり - 言い換える
うまい → おいしい、めし → ごはん、腹 → おなか
美化語は、敬語には数えません。
よって以下の表現は、二重敬語にはあたりません。
例:どうぞごゆっくりお過ごしください。
使い分け
普段私たちは、尊敬語・謙譲語・美化語を、
文脈によって自然と使い分けています。
⑴ 先方からご連絡がありました。(尊敬)
⑵ 先方へご連絡いたします。(謙譲)
“連絡” という単語について、
⑴ は先方に対して敬い、⑵ はへりくだっています。
実は、美化語ではなく、敬意を示しているのです。
付けすぎには注意
これらの言葉を見て、どう感じますか?
おビール・おタバコ・お地味・お打ち合わせ
なんとなく、違和感がある人もいるかもしれませんね。
“お” を付けることで、丁寧に扱っているように見えますが、
相手との距離間があり、かえって失礼と感じてしまうこともあるのです。
上品・丁寧に見えるとはいえ、
どんな言葉にも、“お” “ご” を付けず、バランスを見ましょう。
付けないルール
外来語には、“お” をつけないというルールがあります。
NG:おコーヒー・おビール
ちなみに、日本語か外来語か、区別しにくい単語は、
“お” を付けてもOKのようです。
許容範囲:おタバコ・おズボン
まとめ
今回は、“お” “ご” を付けることについて、見てきました。
丁寧に見えますが、使いすぎには注意しましょう。
参考文献:
広辞苑第6版、明鏡国語辞典
類語例解辞典