尊敬の「おられる」は誤用!? 理由と言い換え

 

 

・部長はおられます。

この表現に違和感がありますか?

部長がいる ということを
尊敬語で伝えるときに見ます。

誤用なのではないか?思っている人もいると思います。

今回は「おられる」について、
見ていきましょう。

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ひとことで表すと

・「おられる」 → 尊敬語
・「おります」 → 謙譲語

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謙譲語 "おる" + 尊敬の助動詞 “れる” と捉える人が多いため、間違いと思われる
*尊敬の場合は「いらっしゃる」が無難

詳しい解説

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△ 明日はおられますか
◯ 明日はいらっしゃいますか

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いる の敬語

尊敬語 丁重語( 謙譲語 ) 丁寧語
いらっしゃる
おいでになる
おられる
おる います
丁重語 (ていちょうご)とは
・自分の行為や物事を丁重に述べて、相手への敬意を表す
謙譲語の一種に分類することもある(謙譲語Ⅱ)
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通常「おる」は、「おります」の形で使います。

今回の説明では、わかりやすくするために、
おる」を丁重語ではなく、謙譲語と書きます。

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おられる は違和感の理由

・部長はおられます。

謙譲語 "おる" + 尊敬の助動詞 “れる” と、
一般的に考えられるため、違和感を覚える人もいると思います。

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簡単に書くと、以下のように考えると合理的です。
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  • 「おられる」は尊敬語
  • 「おります」は謙譲語 

しかし、間違いと捉える人も多いため、
尊敬として使う場合は、「いらっしゃる」にする方が無難。

メールや手紙など、文字にする場合も同様に、
「いらっしゃる」にしましょう。

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補助動詞としての「いる」

「いる」は、他の動詞の後ろに付いて、
動作の状態や継続を表すこともあります。

このはたらきを、補助動詞といいます。

 

尊敬語 丁重語 ( 謙譲語 ) 丁寧語
〜していらっしゃる
〜しておられる
〜しておいでになる
〜しております 〜しています

 

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・山田様は参加していらっしゃいます
・山田様は参加しておられます

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〜していらっしゃる の場合、
長く、やや回りくどい印象がありませんか?

このように、補助動詞として使う場合は、
〜しておられる という表現にしている人も多いのです。

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関西では自然な おられる

関西では、しばしば「いる」を「おる」と言います。

(例) 山田さん、そこにおる?

いわゆる方言なので、あくまで動詞であり、
いる の謙譲語としては使っていません。

 

動詞 "おる" + 尊敬の助動詞 “れる” として、
「おられる」という尊敬表現として、自然に使っているのです。

以上の理由から、
関西出身の人は、意外と違和感がないのかもしれません。

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まとめ

今回は「おられる」について、見てきました。

尊敬語として誤解を招きそうな場合は、
無難な表現に言い換えるようにしたいですね。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

 

 

参考文献
・広辞苑第6版
・明鏡国語辞典
・問題な日本語
・「言いたいこと」から引ける敬語辞典

 

 

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