●更新日:2023/08/08
・おっしゃっていただいた
・おっしゃってくださった
相手が言ってくれたということを
敬語にして伝えたい場合に、聞く表現です。
これは敬語として正しいのでしょうか。
今回は「おっしゃっていただいた」について、見ていきましょう。
***
ひとことで表すと
「おっしゃっていただいた」
・言ってもらった の敬語
・間違いではないが、くどい印象
・言っていただいた で充分丁寧
・言ってもらった の敬語
・間違いではないが、くどい印象
・言っていただいた で充分丁寧
詳しい解説
「おっしゃっていただいた」は、
言ってもらった を敬語にした形です。
おっしゃっていただいた
・おっしゃった → 言う の尊敬語
・いただいた → もらう の謙譲語
通常 | 尊敬語 | 謙譲語 | 丁重語 |
言う | 言われる おっしゃる 仰せられる 仰せになる |
申し上げる | 申す |
また、「おっしゃってくださった」も同様に、
言ってくれた を敬語にした形です。
おっしゃってくださった
・おっしゃって → 言う の尊敬語
・くださった → くれる の尊敬語
おっしゃってくださった は、
尊敬語が2つ続いているため、二重敬語?と思うかもしれません。
二重敬語 とは
一つの語について、同じ種類の敬語を二重に使ったもの
一つの語について、同じ種類の敬語を二重に使ったもの
二重敬語の例
二重敬語 | 正しい敬語 |
ご覧になられる | ご覧になる |
拝見させていただく | 拝見する |
二重敬語は、日本語として間違いです。
- おっしゃっていただいた
→ おっしゃって + いただいた
*
- おっしゃってくださった
→ おっしゃって + くださった
これらは一つの語で、敬語が二重になっているのではありません。
接続助詞 “て” で、二つの敬語をつないでいます。
これは「敬語連結」といいます。
誤用ではありませんが、少々くどい印象を与えます。
敬語連結の例
・お読みになっていらっしゃる
・ご覧になっていらっしゃる
・お見えでいらっしゃる
以下の表現でも、充分に丁寧で、かつ自然だと思います。
- 言っていただいた
- 言ってくださった
***
まとめ
今回は「おっしゃっていただいた」について、見てきました。
丁寧すぎて、かえってくどい印象を与えるのは、
避けたいものです。
シンプルで正確な敬語を意識したいですね。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
参考文献
・広辞苑第6版
・明鏡国語辞典
・できる人が使っている大人の語彙力&モノの言い方