使いすぎ注意!「お手数をおかけしますが」正しい使い方

 

●更新日:2023/05/30

「お手数をおかけしますが」は、
ビジネスシーンでよく使う表現です。

使い勝手がよいですが、
意味を正しく理解して使っていますか?

今回は、「お手数をおかけしますが」について、
見ていきましょう。

***

ひとことで表すと

お手数をおかけしますが
*
・何かをしてもらうことの感謝の気持ちや、
 面倒や労力をかけてしまうことへの謝罪の気持ちを伝えるとき表現
*
・メールなどの文章では「お手数おかけしますが」にする

詳しい解説

お手数をおかけしますが の読み方は、
おてすう をおかけしますが” です。

手数 の意味

読み方には、てかず・てすう がありますが、
ほとんど同じように使います。

  • 動作・作業などにかかる労力
  • 相手のために行う労力や面倒な事柄、骨折り
  • 囲碁や将棋で、打つ手または指す手の数
  • ボクシングで、パンチを繰り返す回数
***

お手数をおかけしますが の意味

お手数おかけします の“手数”は、
相手のために行う労力や面倒な事柄、骨折りのこと。

簡単に説明すると、
“手間をかけてしまいますが” という意味で使います。

その物事または相手のために、特に力を尽くすことです。

この意味から、
相手に協力を依頼するときや、それに感謝するときに、
労いの気持ちで伝える表現なのです。

 

また、クッション言葉としての要素もあります。

相手に対する言葉なので、自分の行為については使えません

× お手数をおかけしますが、◯◯日に対応いたします。

*
ちなみに、手間と手数では、
以下のようなニュアンスの違いがあります。

  • 手間をかける → 自分がいろいろな手段に時間を費やすという意味
  • 手数をかける → 相手に骨折りをしてもらう*

使うときの注意点

お手数をおかけしますが は、
目上の人や取引先の相手にも使うことができる表現です。

<主なシチュエーション>

  • 要求や依頼をする場合
  • その要求や協力に感謝する場合

(例)
・お手数をおかけしますが、ご確認よろしくお願いいたします。
・お手数をおかけしますが、ご教示いただきますようお願いします。

 

何かをしてもらうことの感謝の気持ちや、
面倒や労力をかけてしまうことへの謝罪の気持ち を伝えることができます。

労いの気持ちを込めた表現ですが、
“手間であること”をお願いしていると、
相手がネガティブに受け取る可能性もあります。

多用すると、相手に大袈裟な印象を与えるため
注意が必要です。

また毎回同じ文言を使うことも避けて、
他の表現に言い換えるなど、工夫をしましょう。

  • 恐れ入りますが
  • ご迷惑をおかけしますが
***

お手数おかけしますが はOK !?

△ お手数おかけしますが
◯ お手数おかけしますが

「お手数おかけしますが」は、
助動詞「を」が省略した形なので、文法的には間違い。

話し言葉では、よく見られますが、
メールなどの文章で見ると、違和感を覚える人もいます。

そのため、文章で書くときは、助動詞「を」を付けて
「お手数をおかけしますが」にしましょう。

***

まとめ

今回は、「お手数をおかけしますが」について見てきました。

相手への感謝と謝罪の両方の気持ちを伝える、便利な言葉だからこそ、
TPOを考えて伝えたいですね。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

 

参考文献
・広辞苑第6版
・明鏡国語辞典
・類語例解辞典

 

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