実は誤用!「圧倒的に足りない」理由と使い方

 

●更新日:2023/07/20

・圧倒的に足りない

この表現よく見ますが、実は誤用だと知っていましたか?

違和感を覚える人も多いのです。

今回は「圧倒的」について、見ていきましょう。

ひとことで表すと

圧倒的
・意味:他と比べものにならないほど勝っていること
・プラスの意味で使うもので、マイナスの意味では使えない
*
◯ 圧倒的な強さ
× 圧倒的な弱さ
***

詳しい解説

圧倒的の意味

圧倒的
他と比べものにならないほど、勝っていること

(例)
・圧倒的な強さ
・圧倒的に多い
・圧倒的勝利

***

圧倒 の意味

  • かけ離れてすぐれた力や威力で、他を圧し負かすこと

(例) 相手を圧倒する

***
  • <圧倒される の形で>
     すぐれた力や威力を見せつけられて、驚きや感動を覚える
(例)
・雄大な景色に圧倒される
・ 勢いに圧倒される
***

能動態・受動態、両方とも使い、
漢字の通り、押し倒すほど強いという意味の言葉です。


他と比べものにならないほど、すぐれている

というプラスの意味を表します。

 

***

マイナスの意味は間違い

圧倒的 は、プラスの意味で使う言葉です。

つまり、足りない・弱い のような、
マイナスの意味で使うことは矛盾があります

×
・圧倒的に足りない
・圧倒的に弱い

***

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ある調査では、
マイナスの意味で使う人は30%程度という結果に。

違和感を覚えない人が増えてきているようですが、
意味を考えれば間違い。

使わないほうが無難といえそうです。

以下のように、言い換えるとよいでしょう。

・圧倒的に足りない → 著しく足りない
・圧倒的に弱い   → はるかに弱い

***

圧倒的感謝とは?

「圧倒的感謝」とは、
非常に感謝している という意味で使われる言葉です。

この言葉の元ネタは、『賭博破戒録カイジ』という人気漫画。

ニュアンスのような、伝えたい意味はわかるものの、
圧倒的の意味を考えると、
言葉として合っているとはいえません。

スマートな表現といいにくいため、
ビジネスシーンでは使わないほうが無難でしょう。

***

まとめ

今回は「圧倒的」について、見てきました。

“圧倒的”の意味や使い方について、
正しく理解して、使っていきたいですね。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

 

参考文献
・広辞苑第6版
・明鏡国語辞典
・類語例解辞典
・できる人が使っている大人の語彙力&モノの言い方

 

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