「重複」の読み方はどっち?じゅうふく は正しい!?

 

「重複」の意味は知っているものの、
読み方に迷ってしまう人いると思います。

 

・ちょうふく
・じゅうふく

間違いは避けたい!どっちが正解でしょうか?

今回は「重複」の読み方について、見ていきましょう。

ひとことで表すと

重複
本来の読み方:ちょうふく
もともとは誤った読み方:じゅうふく

***

・誤用である“じゅうふく” は慣用的になった
・使う場合は “ちょうふく” がベター

詳しい解説

文化庁の調べによると、70%以上が誤った読み方である、
“じゅうふく” を使っていることがわかりました。

 

どちらを使う方が良いのでしょうか?
まず意味から見ていきましょう。

 

重複の意味
同じ物事が幾度も重なること・かさなりあうこと

 

ちょうふくは室町時代、じゅうふくは明治時代に、
初めて使われた文献が残っているようです。

 

そのため、現代辞書の説明に、
“じゅうふく” も書かれており、はっきりと誤用とは書いていないのです。

 

ちなみに、どっちかな?と迷うときの考え方について、
簡単に説明します。

感覚的にとらえてくださいね。

じゅう
(物が)重い”というニュアンス
例:体重・重量・重病ちょう
重なる・大切にする”というニュアンス
例:重複・尊重・貴重・慎重

 

このように、
“ちょう”と読む言葉もありますが、


やはり体重など、身近な単語に引っ張られて、
“じゅうふく”と読み間違える人が、増えたのかもしれません。

現在、多くの人が使ったことで
“じゅうふく” でも問題ないとされました。


しかし、まだまだ “ちょうふく” が正しい!という、
意識をもっている人も多いです。

 

なので、内心で「ん?」と思われないようにするには、
“ちょうふく” のほうがベータでしょう。

例文・類語

重複 のように、
誤用がスタンダードになった読み方を「慣用読み」といいます。

慣用読み とは
もともとは間違った読み方だったが、

漢字やローマ字などで記された語から、広く用いられている読み方

 

普段、日常で使っている言葉には、意外にも慣用読みがあるんです。
いくつか紹介します。

 

電池が消耗(しょうもう)する。

「耗」は、“こう” と読むことから、
本来の読み方は “しょうこう” です。

 

日本は、食料の多くを外国から輸入(ゆにゅう)している。


「輸」は、“しゅ” とも読み、
本来の読み方は、“しゅにゅう” でした。

実は、お茶の “ちゃ” も慣用読み。
これはビックリしました。

まとめ

今回は、「重複」の読み方について見てきました。

誤用が広まってスタンダードになるケース、
まさに言葉は生き物ですね。

移り変わりはあるにせよ、
今は本来の “ちょうふく” を使う方が、ベターだと思います。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

 

 

参考文献
・広辞苑第6版
・明鏡国語辞典
文化庁 平成15年度「国語に関する世論調査」の結果について

 

 

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