近年増えている、ら抜き言葉・さ入れ言葉・い抜き言葉。
1つでも聞いたことはありますか?
特にビジネスの場で、誤用は避けたいですよね。
今回は、3つ学んでいきましょう。
ひとことで表すと
“〜られる” が正しい形だが、ら を抜いて “〜れる” にしたもの
例:見られる(正)- 見れる(誤)
「さ入れ言葉」
“〜せる” が正しい形だが、さ を入れて、“〜させる” にしたもの
例:休ませていただく(正)- 休まさせていただく(誤)
「い抜き言葉」
“〜している” が正しい形だが、い を抜いて “〜してる” にしたもの
例:お世話になっています(正)- お世話になってます(誤)
詳しい解説
順番に確認していきましょう。
ら抜き言葉
“〜られる” が正しい形だが、ら を抜いて “〜れる” にしたもの。
可能 な意味を表す動詞に、
本来必要である “ら” を抜いてしまうのは誤用です。
ら抜き言葉が見られるのは、上一段・下一段・カ行変格活用(カ変活用)の動詞。
*“〜ない” の形にしたとき、
“ない” の直前の母音によって、区別されます。
活用形 | 動詞 | 〜ない | 本来の表現 | ら抜き言葉(誤用) |
上一段活用(イ) | 見る | 見ない | 見られる | 見れる |
下一段活用(エ) | 食べる | 食べない | 食べられる | 食べれる |
カ変活用(来る) | 来る | 来ない | 来られる | 来れる |
さ入れ言葉
“〜せる” が正しい形だが、さ を入れて “〜させる” にしたもの。
“〜せていただく” で使うことも多いですね。
五段・上一段・下一段・カ変活用の動詞では、〜させる が正しい形です。
*“〜ない”の形にしたとき、
“ない” の直前の母音によって、区別されます。
活用形 | 動詞 | 〜ない | 〜させていただく(正しい) |
五段活用(ア) | 行く | 行かない | 行かせていただく |
上一段活用(イ) | 着る | 着ない | 着させていただく |
下一段活用(エ) | 食べる | 食べない | 食べさせていただく |
カ変活用(来る) | 来る | 来ない | 来させていただく |
これらに当てはまらない動詞で、〜させる とするのは誤用です。
ちなみに、さ入れ言葉かどうかの見分け方は、
〜させていただく の形から、“さ”を抜いて違和感がないかどうかです。
違和感がなければ、さ入れ言葉だったとわかります。
い抜き言葉
“〜している” が正しい形だが、い を抜いて “〜してる” にしたもの。
い を抜いても意味は伝わりますが、誤用です。
主に話し言葉でよく見られ、少々くだけた印象を与えます。
本来の言葉 | い抜き言葉 |
思っている | 思ってる |
話している | 話してる |
お世話になっています | お世話になってます |
対応しています | 対応してます |
ビジネスやフォーマルな場所での文章では、
“〜している”と書きましょう。
まとめ
今回は、ら抜き言葉・さ入れ言葉・い抜き言葉について見てきました。
それぞれ詳しく知りたい人は、以下も読んでみてください。
参考文献:
広辞苑第6版、明鏡国語辞典、
できる人が使っている大人の語彙力&モノの言い方