ご拝読いただく は誤用!「読む」の敬語

 

相手に読んだかどうかを確認したいとき、
・拝読されましたか?

と言ったことはありますか?

実は、よくある間違いです。

今回は、「読む」の敬語表現について、
見ていきましょう。

***

ひとことで表すと

× 拝読されましたか
◯ お読みになりましたか

***

× ご拝読いただき、ありがとうございます
◯ お読みいただき、ありがとうございます

***
・「拝読」は、敬意の高い謙譲語
・“ご” をつけても尊敬表現にならない

詳しい解説

読む の敬語

 

尊敬語 謙譲語
読まれる
お読みになる
ご覧になる
読んでくださる
お読みくださる
ご覧くださる
お読みする・お読みいたす
拝読する・拝読いたす
拝見する・拝見いたす
読ませていただく

 

拝読(はいどく) の意味
・つつしんで読むこと
・読む の謙譲語

***

要望・依頼するときは、尊敬表現です。

  • 読んでください
  • お読みください
  • ご覧ください

 

***

拝読 を使った尊敬表現はない

拝読する」は、敬意の高い謙譲語です。

“する” → 尊敬語「される」「なさる」に変更して、
・拝読される
・拝読なさる

と、尊敬表現のように書くのは、誤用です。

 

・拝読されましたか
・拝読いただき
・ご拝読

頭に “ご” をつけて、「ご拝読」にしても、
尊敬語にはなりません

「お」「ご」について、以下で詳しく解説しています。

***

 

例文と類語

間違いの多い表現を見ていきましょう。

× 拝読されましたか
× 拝読いたしましたか
◯ 読まれましたか
◯ お読みになりましたか


上司や目上の人に対して、“拝読” というのは誤用です。

尊敬語の “お読みになる” を使います。

敬意の度合いは、読まれる < お読みになる

***

× 拝読いただき、ありがとうございます
× ご拝読いただき、ありがとうございます
◯ 読んでいただき、ありがとうございます

拝読 に “ご” をつけて、
「ご拝読」にしても、尊敬表現にはなりません。

以下のように、言いましょう。

・読んでいただき
・お読みいただき
・ご覧いただき
***

× 拝読していただけますか
◯ 読んでいただけますか
◯ お読みいただけますか

読んでくれますか を敬語表現にして、相手に尋ねるときも、
“拝読” は使えません。

 

余談ですが、(自分が)読んだ と伝えるときも見てみましょう。

× 拝読させていただきました
◯ 拝読しました
◯ 拝読いたしました

 

拝読 + させていただく は、
謙譲語の二重敬語にあたるため、誤用です。

***

まとめ

今回は、「読む」の敬語表現について見てきました。

拝読 は丁寧な印象を与えられますが、
相手ではなく、自分に対して使いましょう。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

 

 

参考文献
・広辞苑第6版
・明鏡国語辞典
・「言いたいこと」から引ける敬語辞典

 

 

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