「ご覧になられる」は間違い!”見る”の敬語

 

 

相手へ見たかどうか確認したいとき、
「見ましたか?」では、敬意が足りない気がしますよね。

ですが、敬語にするときに「ご覧になられましたか?」とするのは、間違いです。

今回は「見る」の敬語について、学んでいきましょう。

ひとことで表すと

見る
尊敬語:見てくださる・ご覧になる・ご覧くださる
謙譲語:見させていただく・拝見する

***

<相手が見たどうか確認したい場合>
× ご覧になられましたか?
◯ ご覧になりましたか?
◯ ご覧いただけていますか?

詳しい解説

“見る”の敬語について、確認していきましょう。

見る

尊敬語
見られる・見てくださる
ご覧になる・ご覧くださる
ご高覧・ご清覧
***
謙譲語
見させていただく
拝見する・拝見いたす・拝観する・拝観いたす
(相手に)ご笑覧

念のため、意味を確認しておきます。

拝観する
神社・仏閣・仏像・宝物などを、謹んで観覧するという意味の謙譲語

 

笑覧
笑いながら見るという意味から、
自分のものを人に見てもらうときに、へりくだっていう言葉

 

 

 

例文・類語

それでは、例文を見ていきましょう。

ポイントは二重敬語にあたるかどうかです。

二重敬語
一つの文のなかで、同じ種類の敬語を二重に使ったもの
***

× ご覧になられていますか。
◯ ご覧になりましたか。

 

<解説>
ご覧になる → 見る の尊敬語
なられる → なる の尊敬語

“ご覧になられる” は、二重敬語のため誤りです。

 

***

◯ ご覧いただけていますか。
× ご覧いただけていますでしょうか。

 

<解説>
ご覧・・“見ること”の尊敬語
いただけて・・“〜してもらう”の謙譲語
います・・・いる の丁寧語

二重敬語だと思われやすい、見てもらう を敬語にしたフレーズです。

尊敬語と謙譲語・丁寧語の組み合わせなので、二重敬語にはあたらず正しい表現

 

“ご覧いいただけていますでしょうか”は、ご覧いただけていますか と似ていますが、
丁寧さを意識しすぎて、回りくどい印象を与えます。

<解説>
でしょう・・だろう の丁寧語


丁寧語が続けて使われているため、二重敬語にあたります。

***

× その資料を拝見されてください。
◯ その資料をご覧ください。
◎ その資料をご覧になってください。

 

拝見する は 見る の謙譲語のため、相手に見てほしいときに使うのは誤りです。

ご覧ください よりも ご覧になってください のほうが、丁寧な印象を受けます。

まとめ

今回は「見る」の敬語について見てきましたが、いかがでしたか?

二重敬語のミスをしやすいため、注意して使っていましょう。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

 

 

参考文献:
広辞苑第6版、明鏡国語辞典、
「言いたいこと」から引ける敬語辞典、
できる人が使っている大人の語彙力&モノの言い方

 

 

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