相手へ見たかどうか確認したいとき、
「見ましたか?」では、敬意が足りない気がしますよね。
ですが、敬語にするときに「ご覧になられましたか?」とするのは、間違いです。
今回は「見る」の敬語について、学んでいきましょう。
ひとことで表すと
尊敬語:見てくださる・ご覧になる・ご覧くださる 等
謙譲語:見させていただく・拝見する 等
<相手が見たどうか確認したい場合>
× ご覧になられましたか?
◯ ご覧になりましたか?
◯ ご覧いただけていますか?
詳しい解説
“見る”の敬語について、確認していきましょう。
見る
見られる・見てくださる
ご覧になる・ご覧くださる
ご高覧・ご清覧
見させていただく
拝見する・拝見いたす・拝観する・拝観いたす
(相手に)ご笑覧
念のため、意味を確認しておきます。
拝観する
神社・仏閣・仏像・宝物などを、謹んで観覧するという意味の謙譲語
笑覧
笑いながら見るという意味から、
自分のものを人に見てもらうときに、へりくだっていう言葉
例文・類語
それでは、例文を見ていきましょう。
ポイントは二重敬語にあたるかどうかです。
一つの文のなかで、同じ種類の敬語を二重に使ったもの
× ご覧になられていますか。
◯ ご覧になりましたか。
<解説>
ご覧になる → 見る の尊敬語
なられる → なる の尊敬語
“ご覧になられる” は、二重敬語のため誤りです。
◯ ご覧いただけていますか。
× ご覧いただけていますでしょうか。
<解説>
ご覧・・“見ること”の尊敬語
いただけて・・“〜してもらう”の謙譲語
います・・・いる の丁寧語
二重敬語だと思われやすい、見てもらう を敬語にしたフレーズです。
尊敬語と謙譲語・丁寧語の組み合わせなので、二重敬語にはあたらず正しい表現。
“ご覧いいただけていますでしょうか”は、ご覧いただけていますか と似ていますが、
丁寧さを意識しすぎて、回りくどい印象を与えます。
<解説>
でしょう・・だろう の丁寧語
丁寧語が続けて使われているため、二重敬語にあたります。
× その資料を拝見されてください。
◯ その資料をご覧ください。
◎ その資料をご覧になってください。
拝見する は 見る の謙譲語のため、相手に見てほしいときに使うのは誤りです。
ご覧ください よりも ご覧になってください のほうが、丁寧な印象を受けます。
まとめ
今回は「見る」の敬語について見てきましたが、いかがでしたか?
二重敬語のミスをしやすいため、注意して使っていましょう。
参考文献:
広辞苑第6版、明鏡国語辞典、
「言いたいこと」から引ける敬語辞典、
できる人が使っている大人の語彙力&モノの言い方