「僭越ながら」を使ったこと、あるいは、見聞きしたことはありますか?
謙遜する日本語ならではの表現です。
ビジネスシーンやメールでも比較的よく見ます。
いざ使うときには、正しいニュアンスで伝えたいもの。
今回は、「僭越ながら」について、
見ていきましょう。
ひとことで表すと
・出すぎたことを承知しておりますが
・身の程をわきまえず、失礼ですが
*自分の行為を謙遜していうことも多い
*場面:ビジネスシーン・メール・冠婚葬祭など
詳しい解説
僭越ながら の意味
僭越
読み方:せんえつ
意味
・自分の立場をこえて、出すぎたことをすること
・分をわきまえずに出すぎたことをすること
自分の行為を謙遜していうことも多い言葉です。
ちなみに、それぞれの漢字の意味を見てみましょう。
- 僭(せん)・・身分を越えたことをする
- 越(えつ)・・度をこす・分を過ぎる
以下のようなニュアンスを含んでいます。
・出すぎたことを承知しておりますが
・生意気ではありますが
・身の程をわきまえず、失礼ですが
立場上、言いにくい内容を、
あえて口にする必要があるときに使います。
目上の人がいる場で、自分の意見を述べる際に、
クッション言葉として使うこともできます。
使うシチュエーション
・ビジネスシーン
会社の上司や取引先、お客様など、
自分よりも立場が上の人と話すときによく用います。
(例)
・僭越ながら、私が対応いたします。
・僭越ながら、◯◯させていただきました。・僭越ながら、意見を述べさせていただきます。
・誠に僭越ではございますが、ご挨拶申し上げます。
プライベートで使わない、少々硬い表現なので
最初は使い慣れないかもしれません。
ちょっと謙遜するほうがいいなと思う場面で、
少しずつ使ってみて、慣れていきましょう。
・結婚式でのスピーチ
・葬儀の後、会食での献杯の挨拶
新郎新婦の親族は
自分より目上の立場にあたります。
(例)
僭越ながら、友人代表としてお祝いの言葉を述べさせていただきます。
・メール
招待会や歓迎会などのレセプションの参加を
メールで断ることを伝える場合にも使います。
(例) 僭越ながら、辞退させていただきたく存じます。
言い換え表現
控えめで柔らかい印象を与える「僭越ながら」は
慣れてくると、使いやすい表現です。
とはいっても、使いすぎには注意!
ここでは、言い換え表現を見ていきましょう。
・恐縮ですが
・失礼ながら
・お言葉ではございますが
少ない力ではあるが協力させてほしい、というニュアンスで、
役割を引き受ける場面では、以下も使えます。
・及ばずながら
まとめ
今回は、「僭越ながら」について見てきました。
いざ使うとなると、意味が合っているかな?と
不安になることもありますよね。
状況に合わせた、言い換え表現も合わせて
覚えておきましょう。
参考文献
・広辞苑第6版
・明鏡国語辞典
・類語例解辞典