●更新日:2023/07/30
・昨日あっち行ったりした
よく使う「〜したり」について、
間違った使い方をしている人も多いのです。
今回は「〜したり」について、見ていきましょう。
ひとことで表すと
・2つ以上の等しい関係の事柄をつなぐ助詞
・〜したり〜したりする で使う
・1回では使わないほうが無難
詳しい解説
2つ以上のことをつなぐ助詞
等しい関係の言葉を、2つ以上つなぐ役割がある
助詞がいくつもあります。
(例)
・するかしないか → “か”
・海と山 → “と”
・水やお茶 → “や”
・風や雪も → “も”
このように、2つ以上の事柄を並べて用いるものを
“並列助詞”といいます。
“たり”も同様に、並列助詞の仲間で、
「〜したり〜したりする」の形で使います。
同類の動作や状態が繰りかえし起こるという意味です。
同類だけではなく、対比的な言葉のこともあります。
(例)
・飛んだり跳ねたり
・行ったり来たり
・晴れたり曇ったり
“したり”は、基本的に繰り返す形が正しいです。
× 散歩したり、読書をして過ごします
◯ 散歩したり、読書をしたりして過ごします
したり が1回だけの場合、Microsoft Word で
「スペルチェックと文章校正」の設定をオンにしていると、
チェック(文字の下に青線)が入ります。
ただし、動作・状態の例として挙げる場合は、
1回だけのこともあります。
(例)
たまに走ったりすることもある
これは同様の事柄が、他にもあることを暗示しています。
「〜したりする」という表現について、
する&する の形だからおかしいと違和感を抱く人がいます。
“たり”は動詞 する ではなく、助詞です。
「〜したりする」は間違いではなく、正しい表現です。
3回以上はくどい印象
ちなみに、3回以上を使うことも間違いではありません。
(例)
銀行行ったり、市役所行ったり、取引先へ行ったり大変だった
ただし、長すぎて幼く、くどい印象を与えることが多いです。
スマートとはいえないため、
ビジネスシーンでは、3回以上使うことは避けるほうがいいでしょう。
よくある誤用
(例)
× スポーツをしたり、映画を見たりすることが好き
「たり」は、同類の事柄を並べるときに用います。
スポーツをすることと、映画を見ることは、
脈略がなく、同類とはいえません。
(例)
◯ ランニングをしたり、テニスをしたりする
まとめ
今回は「〜したり」について、見てきました。
よくある誤用をしていたな…と反省しました。
便利な言葉だからこそ、正しく使っていきたいですね。
参考文献
・広辞苑第6版
・明鏡国語辞典