力不足・役不足は、
ビジネスで登場する言葉のひとつです。
しかし、文化庁の調べによると、
約50%(!)が、誤った意味で使っていることがわかりました。
今回は、力不足と役不足について、
例文を見ながら学んでいきましょう。
◯ / × どっち?
私には役不足ですが、精一杯努めます。
問題2
山田さんには役不足で恐縮ですが、このサポートをお願いできますか。
問題3
業績を挙げたことを考えると、山田さんにこの仕事は役不足です。
力不足と役不足の解説
クイズの解答をする前に、
力不足と役不足について、簡単に解説します。
力不足
力不足とは、
職務や役割に対して、その人の力が足りないことです。
言葉のとおり、「(その人の)力が足りない」という意味。
自分が未熟であることを、
謙虚さをこめて伝えるときに使われています。
役不足
役不足とは、
その人の能力や力量に対して、与えられた役割が軽すぎることです。
つまり、その人には簡単すぎて物足りない という意味。
クイズの解答と解説
私には役不足ですが、精一杯努めます。
答え:×
自分の未熟であると謙虚さを込めて伝えるので、
役不足 → 力不足 が正解ですね。
自分の能力や力量に自信がある場合は、使うのかもしれません(笑)
多くの人は“力不足”の意味で伝えると思います。
<正解> 私には力不足ですが、精一杯努めます。
山田さんには役不足で恐縮ですが、このサポートをお願いできますか。
その人の能力や力量に対して、役目が軽いけれども、
引き受けてくれるか、確認している場面です。
役不足 が正解。
以下のように、言い換えても問題ないですね。
・物足りなくて恐縮ですが
・簡単すぎて恐縮ですが
業績を挙げたことを考えると、山田さんにこの仕事は役不足です。
答え:◯
本人ではなく、第三者が使うシチュエーションもあります。
業績を挙げた という実績 = 能力や力量を評価している
と考えられます。
つまり、その人の能力や力量に比べて、その役目は軽い
という意味なので、役不足 が正解です。
まとめ
今回は、役不足と力不足について
例文を通して見てきました。
いざ使うときに、どっちだっけ?と迷うことがないように、
正しく理解したいですね。
以下で言葉の意味を詳しく解説しているので、
合わせて読んでみてください。
参考文献
・広辞苑第6版
・明鏡国語辞典
・文化庁 「役不足」とは、何が足らないのか?