「教示」「教授」教えてほしいときは?正しい使い方


●更新日:2023/07/08

 

・ご教示ください
・ご教授ください
*

仕事の内容を把握できるようになるまでは、
「教えてほしい」とお願いするときに、使う表現です。

どちらも教えを請う場合に使うフレーズですが、実は違いがあるのです。

今回は、それぞれの違いを見ていきましょう。

ひとことで表すと

・ご教示ください ・ご教示願います
  一般的に教えてほしい場合
*
・ご教授ください ・ご教授願います
  専門的なスキルを教えてほしい場合

詳しい解説

「教示」「教授」それぞれの意味や違いをおさえましょう。

教示 の意味
教え示すこと

例:コツを教示する、懇切に教示する


教授 の意味

学問・技術・技能などを教えること

例:経済学を教授する、点茶を教授する


大学や高等専門学校など、
専門の学問や技能を研究して教える先生のなかに、教授 もいますよね。

教える の意味

1 知っていることを告げ示す → 教示する
2 学問や技芸などを身に付けるよう導く → 教授する

 

つまり、以下のように捉えるとよいでしょう。

  • 専門分野やノウハウ、スキルは、教えてもらう+授けてもらう → 「教授」
  • ただ単純に内容を教えてほしい → 「教示」

例文・類語

尊敬語
・ご教示ください。ご教示願います。
・ご教授ください。
・お教えください。

ちなみに、“ください”は、“くれ” の尊敬語。

「教えてください」だけで尊敬語ですが、
上司や取引先に対しては、例文のようにもう少し丁寧さがあるほうが望ましいです。

余談ですが、くれる・くれ は、
“〜してあげる”の補助動詞の一種で、授受表現といいます。

他にも、 〜してくれる/〜してもらう などがあります。


ご教示ください。ご教示願います は、
どちらも尊敬語とはいえども、少々そっけない印象を受けます。

そのため、シチュエーションによっては、
以下で紹介する謙譲語と使い分けるとよいでしょう。

 

【謙譲語】
・ご教示いただけますでしょうか。
・ご教授いただけますか。
・教えていただけますか。お教えいただけませんか。

 

”教えていただけますか” よりも、 ”お教えいただけませんか” のように、
否定の疑問形にすると、より丁寧な印象にすることができます。

 

まとめ

今回は、教えてほしいときに使う「教示」「教授」の違いについて見てきました。

内容が専門的なスキルでない場合は、「教示」がよいでしょう。

「ご教示ください・ご教授ください」以外の表現にも、
少しずつ慣れていきたいですね。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

 

 

参考文献
・広辞苑第6版
・明鏡国語辞典
・「言いたいこと」から引ける敬語辞典

 

 

 

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