●更新日:2023/07/10
・会社につとめる
・案内役をつとめる
・勉学につとめる
どれも“つとめる”ですが、すべて漢字が異なります。
これを同音異義語といいます。
ビジネスシーンでも使うことが多い “つとめる” の漢字。
今回は「つとめる」について、見ていきましょう。
ひとことで表すと
・勤める:職場に勤務すること
・務める:ある任務や役割を果たすこと
・努める:力を尽くすこと・努力すること
詳しい解説
勤める の意味
勤める
・会社や役所などに雇われて、一定の仕事に従事すること
・仏に仕え、仏道に励む・勤行する
・一定の任期をまっとうする・勤め上げる
*
(例)
・会社に勤める
・日夜念仏に勤める
・任期を勤めた
務める の意味
務める
・役割や任務を引き受けて行う
・劇などの役を演ずる
*
職務や公務などを思い浮かべると、わかりやすいかもしれません。
*
(例)
・司会を務める
・受付を務める
・主役を務める
努める の意味
努める
・物事を成し遂げようと力を尽くす
*
努力 の 努 という漢字からも連想できますね。
勉める・力める と書くこともあります。
努める との違いは、常用漢字かそうでないかです。
文化庁による、一般の社会生活において、
現代の国語を書き表す場合の漢字使用の目安を示すもの
*
ビジネスシーンなど、
一般的には“努める”と書くのがよいでしょう。
*
(例)
・サービスの向上に努める
・問題の解決に努める
・安全第一に努める
紛らわしい「つとめる」
例文は、勤める・務める のどちらが正しいでしょう?
(例) お座敷をつとめる
お座敷とは、芸者や芸人などが呼ばれる酒宴の席のこと。
正解は、「お座敷を勤める」
*
通常、仕事は“勤める”、役割は“務める”ですが、
使い分けが難しいので要注意です。
もともと、務める も、勤めると書いていましたが、
近年、特に “〜を” に役割があたる場合は、「務める」でOK。
*
しかし、
お座敷や仏事など、仕事に重点が置かれると、
「勤める」と書く傾向があります。
まとめ
今回は「つとめる」について、見てきました。
同音異義語は、ふとした時に、
どれが正解?と迷うこともありますよね。
参考文献
・広辞苑第6版
・明鏡国語辞典
・「言いたいこと」から引ける敬語辞典
・できる人が使っている大人の語彙力&モノの言い方
・文化庁 常用漢字表