「伺っていますか?」は間違い!”聞く”の敬語

 

 

相手へ聞いているかどうか確認したいとき、
「聞きましたか?」では、少々敬意が足りない気がしますよね。

ですが、敬語にしたいとき「伺っていますか?」とするのは、間違いです。

今回は「伺っていますか?」が誤用である理由について、学んでいきましょう。

ひとことで表すと

聞く
尊敬語:お聞きになる聞かれる
謙譲語:お聞きする伺う

***

<相手へ聞いているか確認したい場合>
× 伺っていますか?
◯ 聞かれましたか?
◎お聞きになりましたか?

 

詳しい解説

「聞く」の意味・尊敬語・謙譲語を確認していきましょう。

 

聞く
意味:耳で感じ取る・伝え聞く・聞き入れる

尊敬語
聞かれる・お聞きになる
耳を傾けられる・お耳に入る・ご清聴

念のため、慣用句の意味もおさらいしましょう。

耳を傾ける
注意して聞く・傾聴する・注意して熱心に聞く

 

耳に入る
噂や情報などが聞こえてくる

 

尊敬語にする場合は、基本的に3パターンあります。
れる・られる → 聞かれる
お〜なる → お聞きになる
言い換え → 耳を傾けられる・お耳に入る・ご清聴

謙譲語
お聞きする・聞かせていただく
伺う・承る・拝聴する

よって、“伺う”は謙譲語なので、
相手に対して「伺っていますか?」と聞くのは、間違いです。

 

 

尊敬語:お〜なる → お聞きになる
謙譲語:お〜する → お聞きする

尊敬語と謙譲語については、以下の記事に詳しくまとめているので、
気になる人は、合わせて読んでみてください。

 

例文・類語

「聞く」の敬語表現について、見ていきましょう。

× その件は、伺っていますか。
◯ その件は、お聞きになりましたか。

“伺う”は謙譲語なので、「その件は、伺っております。」のように、
自分の行為について使いましょう。

 

 

◯ その件について、お聞きになりましたか。
× その件について、お聞きになられましたか。

・お聞き・・聞く の尊敬語
・なられました・・なる の尊敬語の過去形

“〜になる”を、“〜になられる”とするのは、二重敬語にあたり誤用です。

 

 

◯ 聞かれましたか?
◎ お聞きになりましたか?

 

聞かれる よりも お聞きになる のほうが、丁寧な印象を受けます。

 

まとめ

今回は、「伺っていますか?」が誤用である理由について、見てきました。
いかがでしたか?

 

相手の動作は、正確に尊敬語を使っていましょう。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

 

 

参考文献:
広辞苑第6版、明鏡国語辞典、
「言いたいこと」から引ける敬語辞典、
できる人が使っている大人の語彙力&モノの言い方

 

 

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