相手へ聞いているかどうか確認したいとき、
「聞きましたか?」では、少々敬意が足りない気がしますよね。
ですが、敬語にしたいとき「伺っていますか?」とするのは、間違いです。
今回は「伺っていますか?」が誤用である理由について、学んでいきましょう。
ひとことで表すと
尊敬語:お聞きになる・聞かれる 等
謙譲語:お聞きする・伺う 等
<相手へ聞いているか確認したい場合>
× 伺っていますか?
◯ 聞かれましたか?
◎お聞きになりましたか?
詳しい解説
「聞く」の意味・尊敬語・謙譲語を確認していきましょう。
聞く
意味:耳で感じ取る・伝え聞く・聞き入れる
聞かれる・お聞きになる
耳を傾けられる・お耳に入る・ご清聴
念のため、慣用句の意味もおさらいしましょう。
耳を傾ける
注意して聞く・傾聴する・注意して熱心に聞く
耳に入る
噂や情報などが聞こえてくる
尊敬語にする場合は、基本的に3パターンあります。
・れる・られる → 聞かれる
・お〜なる → お聞きになる
・言い換え → 耳を傾けられる・お耳に入る・ご清聴
お聞きする・聞かせていただく
伺う・承る・拝聴する
よって、“伺う”は謙譲語なので、
相手に対して「伺っていますか?」と聞くのは、間違いです。
尊敬語:お〜なる → お聞きになる
謙譲語:お〜する → お聞きする
尊敬語と謙譲語については、以下の記事に詳しくまとめているので、
気になる人は、合わせて読んでみてください。
例文・類語
「聞く」の敬語表現について、見ていきましょう。
× その件は、伺っていますか。
◯ その件は、お聞きになりましたか。
“伺う”は謙譲語なので、「その件は、伺っております。」のように、
自分の行為について使いましょう。
◯ その件について、お聞きになりましたか。
× その件について、お聞きになられましたか。
・お聞き・・聞く の尊敬語
・なられました・・なる の尊敬語の過去形
“〜になる”を、“〜になられる”とするのは、二重敬語にあたり誤用です。
◯ 聞かれましたか?
◎ お聞きになりましたか?
聞かれる よりも お聞きになる のほうが、丁寧な印象を受けます。
まとめ
今回は、「伺っていますか?」が誤用である理由について、見てきました。
いかがでしたか?
相手の動作は、正確に尊敬語を使っていましょう。
参考文献:
広辞苑第6版、明鏡国語辞典、
「言いたいこと」から引ける敬語辞典、
できる人が使っている大人の語彙力&モノの言い方