間違いやすい「よろしかったでしょうか」正しい使い方

 

●更新日:2023/05/18

「よろしかったでしょうか」

ビジネスシーンで、
間違いが多いフレーズの一つです。

ポイントや注意点を押さえて、正しく使いたいですよね。

今回は、「よろしかったでしょうか」について、見ていきましょう。

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ひとことで表すと

よろしかったでしょうか
*
・過去のことを確認するときは正しい
・バイト敬語で間違いが多い
 (例) 2名様でよろしかったでしょうか
・「よろしいでしょうか」が◯

詳しい解説

よろしい の意味

商品を購入するときや、飲食店で確認するときに
よく聞くフレーズです。

「よろしかった」は、過去形なので、
基本的には、過去のできごとを確認するときに使います。

現在形である「よろしい」は、
形容詞「よい」の改まった表現です。

〜してよい・〜でよい の丁寧な言い方で、
差し支えない・認められる、
つまり許可や承認の意味があります。

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丁寧な気持ちや、時に古風な印象を与えるものの、
文脈によっては、尊大かつ威圧的な言い方に聞こえることを
覚えておくとよいでしょう。

(例)
・あの態度はよろしくない
・もう帰ってよろしい

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正しいシチュエーション

「よろしかったでしょうか」は、全部が全部誤りではありません。

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過去のできごとや、相手が以前に了承したことについて
確認するときは正しいです。

(例)
◯ そのミーティングは、15時開始でよろしかったでしょうか
→ 以前に決めたことに関する確認のため正しい
*

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(例)
◯ このように行いましたが、よろしかったでしょうか
→ 終了した内容(過去のこと)が問題ないかを確認するため正しい

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誤ったバイト敬語の注意点

以下は、違和感を覚える「よろしかったでしょうか」の例文です。

× 2名様でよろしかったでしょうか
◯ 2名様でよろしいでしょうか

 

一般的に「バイト敬語」といいます。

バイト敬語とは
主にバイトで雇われえたサービス系の接客でよく使われる、
本来は正しくない敬語

 

気遣いや、丁寧さを示すための婉曲的な表現ですが、
実際は誤り。


よろしかったでしょうか の場合、
助動詞「た」は、以前のことや過去の状態を示します。

現在の物事を確認するときに使うのは、正しいとはいえません。

誤ったバイト敬語に気付かないでいると、
ビジネスシーンでも正しい敬語として使ってしまうため、注意が必要です。

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確認するときの正しい表現

よろしいですか

よろしいですか は、一番シンプルな言い方です。

確認を取るとき、あるいは了承を得るときに使うことができます。

人によっては、上から目線・キツい印象に聞こえるので、
伝える相手に注意しましょう。

(例)
・こちらでよろしいですか
・◯◯したいのですが、よろしいですか

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よろしいでしょうか

よろしいですか は、
シンプルですが、少々キツい印象を与えることもあります。

相手が目上の人や顧客、取引先など、
やわらかく丁寧にしたい場合は、「よろしいでしょうか」がベターです。

以下で詳しく書いているので、
合わせて読んでみてください。

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いかがでしょうか

いかがでしょうか は、
相手に同意を得るときに使うことができます。

よろしいでしょうか と同じニュアンスで使うことができます。

(例)
・◯◯と考えていますが、よろしいでしょうか
・◯◯と考えていますが、いかがでしょうか

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まとめ

今回は「よろしかったでしょうか」について見てきました。

ふと耳にすると違和感があることもありますが、
過去のことを確認する場合は、正しい表現です。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

 

参考文献
・広辞苑第6版
・明鏡国語辞典

 

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