●更新日:2023/06/14
・お名前を頂戴できますか
受付や電話での応対で、名前を確認するときに、
聞いたことはありませんか?
よく聞く表現ですが、敬語としては誤用なのです。
今回は、「お名前を頂戴できますか」について、
見ていきましょう。
ひとことで表すと
◯ お名前をお聞きしてもよろしいですか
◯ お名前を伺ってもよろしいですか
*
*名前はもらうものではないからNG
詳しい解説
受付や電話での応対などで、
名前を教えてほしい を敬語表現にしたいとき、以下は誤りです。
× お名前を頂戴できますか
× お名前をいただけますか
頂戴する は、頂く を丁寧にしたもの。
漢字の“頂く”・平仮名の“いただく”の違いについては、
こちらにまとめています。
合わせて確認してみてください。
・名前 → “お”を付けている
・頂戴する・頂く → もらう・食べる・飲む の謙譲語
敬語として成り立っていますが、誤った表現です。
元の表現にした
名前をもらえますか は、違和感があります。
なぜなら、相手の名前は、もらうことができないからです。
よって、頂戴できますか、いただけますか は、NG。
同様に、電話番号を確認するときも、
頂戴する・いただく を使うことはできません。
× 電話番号を頂戴できますか
*
ちなみに、名刺はもらうものなので、正しいです。
◯ お名刺を頂戴できますか
◯ お名刺を頂戴してもよろしいでしょうか
正しい表現
頂戴する・頂く は、名前には使うことができません。
相手の名前を教えてほしいときは、
以下のような表現にしましょう。
◯ お名前を教えていただけますか
◯ お名前を伺ってもよろしいですか
◯ お名前をお教え願いますか
◯ お名前をお聞きしてよろしいですか
◯ お名前をお聞かせいただけますか
また、前にクッション言葉を入れることも多いです。
・相手に対して依頼や断るときに、文の前に入れる言葉
・そのまま伝えると角が立ちそうな表現を、やわらかい印象にする
- 恐れ入りますが
- 差し支えなければ
まとめ
今回は、「お名前を頂戴できますか」について、見てきました。
・お名前をお聞きしてよろしいですか
・お名刺を頂戴できますか
この二つが混ざってしまった、誤った表現です。
相手の名前を確認したいときは、気を付けましょう。
参考文献
・広辞苑第6版
・明鏡国語辞典
・「言いたいこと」から引ける敬語辞典